 | 実にヤバい香りがプンプンするけど、一刻を争う事態っぽいのでクエストを受けてみたが。 |
 | うわー、ボクらに心当たりはあるかなんて聞かれても困るよー。 |
 | 今まで宿屋の娘絡みのクエストに手がかりがありそうな気がするが、そんなのものがあったか? |
 | あれ、もしかしてあのクエストじゃないですか? 療養のために樹海の空気を吸わせてやれっていっていた。 |
| ああ、あれか。あん時ゃ全然気にも止めてなかったクエストだったな。 |
 | ……行ってみる価値はありそうね。 |
| よし、じゃあ早速出発! |
| いや、待て。 |
| ? |
| ……。すまん、何でもない。 |
| 一体どうした、何か気になることでもあるのか? |
| いや、直にわかることだから別にいいや。 |
| 変なのー。いつも変だけどさー。 |
| (このレベルとメンバーでの勝ち手段は……いや、エトリアのデータはアテにならねえ。やってみるしかねえか) |
| あ、居ました! 前にクエストで訪れたところと同じ場所です! |
| しかしよくもここまで来れたもんだなー。まだ子供だってのに。 |
| そういえば、むしろ子供の方が襲われにくいという話を聞いたことがあるな。デタラメだとばかり思っていたが、この子に関しては当たりだったか? |
| 何にせよ無事でよかったよー。っていうか、一体ここに何しにきたんだろ。 |
| そういや前にも何かのクエストん時に新しいお守りをもらったよな。 |
| そんな律儀に新しいのをくれなくてもいいのになー。特にこんな奴に、わざわざ危ないところに来てまであげる必要なんてないって。 |
| この野郎、子供の前で言いたい放題言いやがって。しかしまさかこんな理由だったとはなー。 |
| 少しキツく叱っておこうかと思っていたが、何だか毒気を抜かれてしまった。 |
| じゃ、早く帰ろうよー。長居は無用というか危険だからね。 |
| しかしこれで一応任務完了、ということかな? |
| そうだといいんだが……!! |
| ああっ! 宿屋の子が! |
| くそっ、一体何だ、奴は何者だ? |
| 三つ首の蒼い竜……「奴」だ。 |
| 貴様、知っていたのか? |
| 細かいことは後だ。野郎の向かった先は森の南東、大体当たりは付いてるから追うぞ! |
| で、「氷王の眠り居る場所」で訪れた場所の近くに来たら、そん時にも出てきた奴がまた出てきた。 |
| 罠としか思えないなー。 |
| だが罠だからといって進まないわけにも行かないだろう? |
| それにしても、一体あいつは? あの、知ってるんですよね、あいつの正体。 |
| 知っているも何も、エトリアで戦ったことがある。エトリアではこいつと他のドラゴンの合わせて三竜が、最強クラスの敵として多くの冒険者を絶望させてた。 |
| ていうか何、その無茶苦茶な戦闘ターン数は? |
| ……無理? |
| 今の俺達のレベルは……全員60か。悪いが、勝てる保証は一切無いぞ。 |
| ……珍しく弱気? |
| おい、リーダーのお前ぐらいは自信満々で無いと困るぞ。 |
| 悪い、確かにその通りだ。が、流石に今回ばかりはどーにもならんかもしれん。 |
| こいつは前に氷王の墓を発見した所にいやがる。っていうかあの時感じた瘴気はこいつのものだったのか? |
| なあ、戦略はどうする? お前の話を聞く限りは相当タイトな戦いになるはずなのだが。 |
| 一応、ボクとアリッサとカリンは 10 ポイントほどスキルポイントが余ってるよ。 |
| いや、最初は特に何も考えずに戦ってみよう。多分、奴の実力の片鱗程度は見えるはず。 |
| 最初のターンの行動は以下の通り。 |
| そしてその結果がこれ。 |
| ちょ、 HP の上限の倍近く喰らってるんですが!? |
| あー、これはエトリアよかマシだな。 |
| (一体こいつは何と戦って来たのだ……) |
| で、でもこれじゃとても耐えきれないです。 |
| うーん、ちょっとユーリは休養して氷幕の幻想曲を取ってみてくれないか? |
| レベルは戻さなくていいのー? |
| それは別にいいや。今やってるのは単なるデータ取りだからさ。 |
| 結局ダメでした。一応、氷の守りとか使えば生き延びられたんだけど、ボクだけの力じゃ無理。 |
| 最初のターンにアイスシールドを使ってくるときもあったが、あれは一体? |
| エトリアじゃ雷属性以外をシャットアウトする技だったけど、今回は物理と雷をシャットアウトする技になってるようだな。 |
| そういえば、効くと思ってた炎属性があまり効きませんでした。今回は跳弾メインでしょうか? |
| そうなるなー。あとやっぱりあったのがこの技、絶対零度。 |
| ……いくらなんでも即死はないわ。 |
| アイスブレスに比べればダメージ自体はそれほどでもないから、これは耐邪の鎮魂歌でシャットアウト可能だと思う。それよりも厄介なのが次の技だ。 |
| まず俺達のタフネスじゃほぼ即死で、その上生き残ってもスタン効果があって、さらには3回以上の複数回攻撃。簡潔に言えば事実上の全滅技。 |
| これ、無理じゃない? |
| ……私もそう思う。 |
| どう考えてもレベルも装備も足りていないように思えるな。 |
| いや、とりあえずもう少し作戦を練ってみよう。さっきからの戦いで取れたアイスブレスからのダメージに関するデータをざっとまとめたら、こんな感じになった。 TEC による属性ダメージの軽減とか乱数がからんでるんで正確なデータじゃないけど、参考にはなるだろ。 |
| ちなみに竜乱錐は突属性みたいだから、それなりに良い装備をして耐突ミストを使えば耐えられるかもと思ったけど、結局それだけだと一度に複数回喰らったときに耐えられなかった。腕封じでもいいんだけど、きちんと封じきれるかどうかは超疑問だな。 |
| それじゃ、氷の守りを装備して、氷幕の幻想曲と耐氷ミストと耐突ミストを使って耐邪の鎮魂歌……あれ? |
| 強化枠が明らかに足りないな。 |
| うーん、氷幕の幻想曲を抜いて全員が上帝の衣装備なら、どうにかなるかなー。 |
| ところがそれにも問題はあって、氷幕の幻想曲の利点の一つにこいつのアイスシールドを打ち消せるってのがあるんだよな。あらかじめ氷幕でアイスシールドを潰しておけば、ユーリの行動の自由が出来る。今回は多分 TP を激烈に消費しながら戦うことになるから、アイテム運用がカリンだけじゃ多分間に合わない。それにミスト系は全部ストックが有限のアイテムだから、数が足りなくなる恐れもある。 |
| 氷竜のパターンを何回か確認したら、1ターンめと6ターンめにアイスブレスを使うことが多かったです。多分、5ターン間隔で使ってくるのだと思います。アイテムの効果切れのサイクルと一致しますね。 |
| ということは、確実に5ターンごとにアイテムが必要になるわけか。そこでミストが二種類必要というのは持久戦を考えると痛いな。 |
| で、ちょっと俺がトラッピング2で攻撃してみたら、一発で200程度しか入らなかった。 |
| 僕の跳弾に至っては一発 67 とかでした……。 |
| 何か全然ダメージになってない気がするなー。あいつの体力ってどのぐらいあるんだろ? |
| エトリアじゃあ 35000 とかいう舐めた体力だったけど、今回はそれよかだいぶ少ない感じ。トラッピング2が6回ぐらい当たって、それから毎ターンの跳弾のダメージも合わせて、それで6ターンめあたりで目分量だけど 20% ぐらい削れてた。だから 10000 から 15000 の間ぐらいじゃねえかな。 |
| ……ものすごく時間がかからない? |
| 滅茶苦茶かかる。順調に行ったとしても 30 ターン以上かかるんじゃねえかな。その間ユッカは跳弾撃ちっ放し、アリッサは多くのターンでエリアヒールだろ。俺もトラッピング2をぶちかますから、全員慢性的に TP 不足だ。 |
| やはりこれは無理ではないか? |
| うーん、全員休養して対氷竜のスキルセットにして上帝の衣を装備すれば、勝てる可能性が出てくるんだよな。というか、この面子とレベルで勝つにはそれっきゃない。 |
| でも、ボクらって今のところ上帝の衣が一人分しか買えないよね。 |
| 一応ボスからのレアドロップで合計 150,000 エン稼げる計算にはなっていて、あとはレベル上げながら採集したりモンスターがドロップしたりしたアイテムを売っ払って、それで全員分揃えるしかないかー。 |
| 僕は一応、極上のローブに氷耐性がありますけど、どうします? |
| いや、それだと防御力が低くなるから耐えられないケースが出てくる。そうなると、今から俺達が稼がないといけない金額は約 400,000 エン! しんどいだろうけど、氷竜と戦うんだからそんぐらい我慢してくれよ。 |
| ちょっと待て、正気か? |
| おいおい、俺はいつも正気だっての。 |
| 自分で自分を正気だって言い張るやつって、大抵どっかおかしいけどねー。 |
| がーっ、とにかく今から資金稼ぎだからな、わかったか!? |
| もー、本当に仕方のない奴だなー。 |
| それで無茶を言った直後で悪いんだけど、もしもダメだったら……。 |
| ? |
| いや、これは一度試してみて、それでダメだったらまた考えよう。あと俺達のスキルの振り分けは大雑把には以下の通りだ。 |
| 全員分集めたぜコンチクショー! |
| 前々から頭がおかしいと思っていたが、まさかここまで酷いとは思わなかった。途中で挫折する方に賭けていたのに。 |
| くっそー、今回ばかりは諦めると思ったのになー。大損だよー。 |
| ……もっとも、実はみんな挫折に賭けていたんだけどね。 |
| 賭けが成立しないので僕がやり通す方に賭ける羽目になったのですが……なんか悪いことしちゃったかな…… |
| どいつもこいつも言いたい放題言いやがってー。あ、そうそう、資金稼ぎの最中にサラマンドラの条件ドロップを取ったぞ。信じ難いことに炎属性で倒すとドロップだった。 |
| それを売ったら最強クラスの銃、「アグネヤストラ」が売り出されましたけど、どうします? |
| いや、今回は見送ろう。流石にここでまた 300,000 以上稼ぐのはしんどい。ところで前に話したとおり今回は恐ろしくアイテムを消費する戦いになる。とりあえず今回は以下のものを準備しておいた。 |
| ちなみに防具は上帝の衣の他はお守り2個で共通。耐突ミストと突撃のお守り2個で、野郎の最悪技である竜乱錐を一人が3発喰らっても生き残れるようになるからな。 |
| 本当、無茶苦茶なアイテムの用意の仕方だなー。 |
| これでも勝てなかったら一体どうするつもりなのやら。 |
| うーん、それについては後でな。とりあえずまずはこれで戦おう。 |
| 対氷竜で壮絶な破壊力を叩き出せるのがトラッピングだ。特に竜乱錐は当たり方次第じゃ大変なダメージになる。 |
| 第1ターンは殆どアイスブレスを使ってくるので、最初のターンからかなりのダメージを見込めるな。ちなみに私はサジタリウスの矢を撃ちつつ、アイテム運用やアザーズステップでのサポートといった感じだ。サジタリウスの矢は 110 程度のダメージだが、全体のダメージの底上げにはなっているはずだ。 |
| ボクは氷幕の幻想曲を最初のうちは使っていたけど、実はこの装備とスキルだったら無くても大丈夫なんだよね。 |
| この時は耐氷ミスト、耐突ミスト、耐邪の鎮魂歌がかかった状態でアイスブレスにトラッピング2をブチかましたところ。 |
| かなりギリギリですけど、全員生き残れるには生き残れています。 |
| ……次のターンにエリアヒールしても全回復までは行かないけど、大丈夫みたいね。 |
| 体力が 300 後半あれば、絶対零度でも倒されないし竜乱錐も2発までなら耐えられるからな。 |
| 上が竜乱錐、下が絶対零度のダメージです。このダメージならなんとか耐えられますね。 |
| 実際には絶対零度は余程運が悪くない限りは 200 半ばだから、十分回復が間に合うんだよな。 |
| ところでこのターンは本来ならアイスブレスが飛んでくるはずなのだが、なぜか絶対零度を受けた。 |
| ……パターンから外れたことをされるのが厄介ね。 |
| というか、全体的にこいつはパターンを作りにくいんだよなあ。 |
| 氷河の再生は体力が赤ゲージに入ってきたあたりで使ってきた。これは沈着なる奇想曲で打ち消せる。祓化でもいいんだけど、行動速度の関係で剣装備だと氷河の再生の前に発動しちまう。別にスローステップで調整してもいいんだけど、毎ターンスローステップを撃たせるわけにもいかないし、アリッサは確実に敵に先行して回復しないといけないから祓化とかやってる暇は無い。 |
| だから今回、ボクが杖装備で戦ってる。これだと氷竜よりも行動が遅れるから、確実に氷河の再生やアイスシールドを打ち消せるねー。 |
| ただ、僕よりも氷竜の行動が早く、そして僕の方がユーリさんよりも早く動いてしまうんですよね。おかげで跳弾の無駄撃ち防止にアザーズステップが必要になっています。 |
| とりあえず氷竜の体力をレッドゾーンに追い込むだけなら出来るようにはなったんだけど、後もう一押しが足りずに敗北が続いている。 |
| 上も下も大体同程度まで体力を削った状態なんだけど、見ての通りターン数が 10 以上違う。 |
| ……氷竜の行動がさっぱり読めないのよね。 |
| 上の方では普通にフォーススキルが使えるぐらいの長期戦で、その時は読みを相当外されたんですよね。 |
| 最初のうちは竜乱錐の使用頻度が高くて、体力を削っていくと絶対零度の比率が上がってきて、レッドゾーンになると氷河の再生も始まって、という傾向にはあるんだけどな。実際には最初の 10 ターンのうちで竜乱錐を一発も使わずに絶対零度連発とか、よくわからん行動パターンの時もある。 |
| 絶対零度の即死効果は耐邪の鎮魂歌でほぼシャットアウトしてるけど、死ぬときには死ぬんだよねー。 |
| 氷竜の回避率が高いせいか、跳弾が 3 連続で外れたときもありました。 |
| 俺も結構トラッピングをミスってるしなー。 |
| 絶対零度で2ターン連続で死人がでたこともあったよね。何それって感じだよー。 |
| 竜乱錐が後衛に 5 発行ったときもあったな。何回かチェインダンスで引き付けてみようとも思ったが、どうもランダム攻撃には効かないようだ。 |
| 前の似たような効果のスキルは全然ダメだったけど、今回のも微妙だなー。ま、それが使えたところでどこまで事態が好転するかは未知数だけどよ。 |
| なんか、勝てそうなんだけど微妙に勝てない感じ? |
| あっさり体力を削れるときもあれば、全然削りきれない時もあるんだよなー。つーわけで、今のまんまじゃ引き勝負以外の何者でもない。しかも、俺達が圧倒的に不利だ。 |
| 流石に何十ターンもの間、ずっとトップデッキを繰り返すのは無理だ。これをどうにかするには、一回一回の攻撃のダメージを上げるしかない。 |
| そうなると新しい武器が必要になるが、今のところお前用の上位武器はクイーンズボンデージとレヴァンティンだけだな。 |
| クイーンズボンデージは……アグネヤストラ同様にオーバースペックだ。それに高すぎるだろ。レヴァンティンは剣なのがネックで、今後二度と使わない武器に 150,000 払えるかって言うと微妙なんだよな。ってかこれも十分高すぎる。 |
| 要するに手詰まりということでいいのか? お前が手詰まりになるとは考えにくいのだが。 |
| うーん、ぶっちゃけそうなんだよなー。でもせっかくここまでやったんだしなー。しかし今のままじゃ…… |
| 何かまた悪い癖が始まっちゃったー? |
| 拘り出すとキリが無いんですよね……しばらくそっとしておいた方がいいかも。 |
| しかしこいつがこの調子では探索を進めるわけにも行かない。かといって私では説得は出来そうも無いしな。 |
| ……ちょっといい? |
| ? |
| (ゴニョゴニョ) |
| あー、結局それしか無いかー。 |
| ……これが私の最後の一手。 |
| 何かいい作戦でも思いついたのか? |
| うーん、それに抵抗がないわけじゃないけど、でも他にねえしなあ。 |
| ……これがダメだったら諦めるって事でどう? |
| ま、確かに今の俺達にとっての最終兵器だな、それは。 |
| じゃ、勝ち目があるってことー? |
| これでダメだったらやっぱりまだ時期尚早だったって事で諦めるよ。っていうか、パラディン不在の俺達が勝つにはマジでこれしかなさそうだ……じゃ、もっぺん金策に走り回るとするか。 |
| えー、またー? 今度は何買うのー? |
| まあ、あとでわかるよ。 |
| というわけでアリッサ先生、戦術の解説をどうぞ。 |
| ……ドクトルマグスのフォーススキル、「太古の巫道」は全属性の耐性を上げて体力を全回復する技なんだけど、当然これは斬突壊の物理属性にも効果があるの。 |
| つまり、 5 ターン毎にフォーススキルをつかえば、ミスト 2 つ分の効果を強化枠 1 個で賄える。あとは俺にブレイバントを使えば準備完了。 |
| もっとも今まではミスト 2 つだったのがアクセラ 3 つとブレイバントになって、アイテム運用の難易度は上昇したのだが。 |
| ああ、竜乱錐のスタン率次第じゃアクセラが間に合わないとかアムリタが間に合わないとかなるからな。おかげで二回も氷河の再生を使われちまったけど、その状態まで追い詰めるのには引きの悪さに比べて時間はかからなかっただろ。 |
| 確かにその通りだ。ブレイバントを使うとダメージが 1.3 倍程度に上がるので、今回は引きが良いとは言えなかったにもかかわらず、 30 ターンめあたりで勝利が明確に見えてきた。 |
| というわけでここまで追い詰めたぞ。 |
| ってちょっと、アクセラが切れてるんだけどー? |
| あとはお守り代わりの耐氷ミストが一個あるだけです。どうします? |
| 幸い俺のフォーススキルが溜まってるから、最後の一押しにオールボンデージでふん縛っちまうか。多分あと 3 ターン程度で倒しきれるはず。ダメだったら耐氷ミストで守りつつ最後のトラッピングだ。 |
| ……あ、戦闘していてフォースゲージが溜まる分にはいいんだ。 |
| そういうこと。流石にアクセラ連発からオールボンデージはやりたくねえけど、普通に戦ってゲージが溜まる分には別にいいってこと。もっとも今回はアリッサのフォーススキルをガンガン使ってるけどな…… |
| っていうか普通、フォースゲージが一回の戦闘で満タンになったりしないよー。 |
| そりゃそうだな。というわけでユッカ、オーバーロードに続いてダメ押しを頼むぜ。 |
| 了解! |
| やった! |
| 勝った、か……。 |
| ……これでもギリギリだったのよね。 |
| あー、長かったー。 |
| ドロップアイテムが何もなかったのがアレだけど、まあ勝てることがわかったから良いか。 |
| あ! それよりも宿屋の女の子! |
| うげ、素で忘れてた! 嬢ちゃん、大丈夫か? |
| ……ハハッ、どうやら俺らの死闘が夢に出ちまったらしいな。 |
| 何だか余計に気が抜けてしまったよ。 |
| でも本当に無事でよかったよー。っていうかよく生きてたねって感じ。 |
| 前に僕達のあげた氷王の墓にあったアウラツムの花、あれがお守りになったんでしょうか。 |
| あー、そういやそんあこともあったなー。ってあれ、この子の持ってるアウラツムの花…… |
| 「白氷の蔦鞭」……って氷王の鞭か? こいつは驚いたな。 |
| 氷竜と何か関係があるのかさっぱりわからないが、やはりこれはお前が受け継ぐべきものだろうな。 |
| そうだな、有難く頂いとくか。しかしこいつは凄いな、攻撃力が 210 もある。 |
| うーわ、もの凄いオーバーキルの予感。 |
| 何か明らかに僕が跳弾撃つよりも強そうですね。 |
| とりあえずクエストを報告したら、試し斬りに出かけても良いか? |
| 構わないよ、というか私もそこまで攻撃力が上がったらどうなるか観てみたい。 |
| 凄い! まったくもって無意味なオーバーキル! |
| でも行動速度にすげえマイナス補正が付いていて、実質雑魚相手には使えねー。 |
| 残念だな、せっかく手に入れたというのに。 |
| まあ、トラッピングをメインにするなら問題ないか。 |
| もしかして、アーテリンデさんに頼んでいた僕の最強武器も同様に速度補正がかかるのでしょうか。 |
| 十中八九そうだろうなー。まあ、お前の場合はそこまで問題じゃねえだろ。大体いつもカリンにアザーズステップ使ってもらってるだろ。 |
| うぅ、確かにそうです……。 |
| 何か色々脱力したけど、とりあえず探索に戻るかな。 |