先に言っておく。一体このタイトルは何だ? 前回妙に真面目な事を言っていたから期待した私がバカだったとは思うが……。 | |
いやいやいやいや、俺じゃねえって今回は。 | |
貴様以外に誰がいるというのだ! | |
(今回はアリッサでしょ) | |
(……シーッ) | |
もしかして、オーバーロードからのメッセージに関係あることなんですか? |
あー、ジャガーノートね。 X-MEN でほぼ最強クラスのミュータントだった奴だ。そしてこいつも冒険者のなれの果てか。やるせねえな、まったく。 | |
うーん、それにしても何でオーバーロードは化け物ばっかり作ってるんだろ? 頭おかしいとしか思えないよ。 | |
まったくその通りだな。 | |
ボクなら綺麗なお姉ちゃんを山のように作るってのにさー。 | |
……それはひとまず置いてておこう。この階は扉を開けた途端に大量の FOE の洗礼が待っていたぞ。 |
流石にこれ全部相手できないでしょー。 | |
となると、 FOE の間を掻い潜りながら進むしかないか? | |
そうなったらまずやることは、近場を行ったり来たりしながら敵の行動パターンを読むことだ。で、どうもこいつらは巡回型とその場に留まって方向転換する奴の二系統にわかれてる。 | |
巡回型は 21F からの漆黒の魔騎士だったが、もう一方は新しい赤 FOE だったな。 |
試しに戦ってみたけど、普通に叩っ殺された。ただ単にぶん殴ってくるだけなんだけど、ダメージが 600 とか出てた。しかも同じ区画の FOE が次々と加勢にくるんで、さらにどうしようもなかったな。 | |
……漆黒の魔騎士もそのせいで倒しにくくなってるのよね。 | |
そうなんだよな。それでもどうにか一体だけ倒してみたけど、やはりというかなんというか戻ってきたら復活してやがった。これは厳しい。 | |
緋緋色の剣兵はどうもこちらが4歩動くごとに 90 度向きを変えているみたいですね。 | |
とりあえず動きが読めれば、あとは漆黒の魔騎士を子守歌で止めつつ進めば大丈夫。南の方に扉があるから、その先がジャガーノートの居場所だ。 |
ジャガーノートの居る部屋に行く直前で、この通り新しい FOE が 5 体まとめて出現しやがる。まったく用心深い野郎だ。 | |
なあ、マップの一部が明らかにマッピングミスなのだが、いいのかこれは? | |
あー、後で直すからいいや。それでこの部屋で出てくる FOE はまたこれまでとは違った奴だった。 |
……「必ず先制 & 高確率での封じ & 3ヶ所封じたら痛い一撃」と微妙に嫌な敵ね。 | |
ここはユーリの独壇場だな。 |
まずここで招引のソナタを歌ってー |
終了っと。これでジャガーノートのいる部屋に行けるようになったよー。 | |
よし、奴の部屋に乗り込むぞ。 |
ちょっとー、何いきなり死んでるのー? | |
いや、こいつの攻撃力が高すぎるんだよ。こんときゃ聖なる守護の舞曲で強化してたはずなんだけど、それでもこのダメージだからな。蛮族の行進曲をかけても怪しいぞこりゃ。それはともかく、誰かネクタル頼む。 |
……また死んでるし。 | |
これは全体攻撃 + 防御力低下 or 強化打ち消しかな? とにかく俺はまたくたばってるんで、またネクタル頼む。 |
奇跡的に持ち直したと思いきや、「王者の爆進」という技が最悪の代物で、この一撃で勝負が決まった。 | |
全体ダメージ + 頭と脚の同時封じはねえよ…… | |
腕封じに成功してこのダメージですから、素の状態ならどうなっているのか検討もつかないです。 | |
ちょっとこれ、勝てそうになくない? | |
いや、何回かチャレンジしてみよう。データが集まったら宿に戻って作戦会議だ。 |
それじゃー作戦会議の開始だ。まずはこれが野郎から取れたデータだ。 |
これだけ見ると勝てる気がしないねー。 | |
王者の爆進が最大のガンだな。これでアリッサの回復が遅れて全滅というパターンが多かった。 | |
……微妙に攻撃属性が統一されてないのも厄介ね。巨角の一撃さえなければ壊属性対策が有効なのに。 | |
その王者の爆進だけど、こっちが全体で6以上のステータス補助をかけてると使ってくるらしい。最初に戦ったときは確か、 |
って感じでかけていて、その時は王者の爆進はこなかった。それで次に戦ったときは |
って感じだった。 | |
途中から強化枠をあまり使わずに戦っていたのはそのせいか……って待て、それでは蛮族の行進曲で即死回避が出来なくなるのではないか? | |
そういうこったな。なので割と真剣に困ってる。救いがあるなら封じ耐性は高くないってところだ。俺とユッカでガンガンに縛れた。ただ流石に3ヶ所封じはそれにかかる手間が大きい割に、エクスタシーの威力が奴の耐性でスポイルされるんで全然ダメだった。だったらダメージに直結する腕だけ封じて、あとはユッカに属性チャージショット撃たせた方がいい。ダメージ的に大差なかったよ。 | |
僕の属性チャージショットがステータス強化なしで 160 オーバーのダメージで、結構なところまで追い詰めることに成功しました。 | |
それでも問題があって、それは奴の体力が多いせいで削りきる前にこっちが息切れになるってこと。 20 ターン以上戦ってると TP が全然足りなくなる。何せ、カリン以外の全員が TP を浪費しまくるし、カリンはアザーズステップに忙しくてなかなか回復役に回れなかった。 | |
いつもならボクは一通り歌った後に暇だからアイテムでサポートできるけど、今回はステータス低下の打ち消しに奔走しないといけないんだよねー。 | |
運良く封じの持続ターンが長くなったり、封じが入りまくれば勝てるかもしれないけど、流石にそこまで運任せにしたら勝ったとは言い難いよな。 | |
今回は本当に厳しいですね……。他のギルドの人たちはどうしてるんでしょうか? | |
あー、多分パラディンのいるギルドならいきなり一撃死は免れていると思うぞ。あとはカースメーカーの弱体化でもどうにかなると思う。アタッカーはブシドーかアルケミストかガンナーにソードマンを入れれば大丈夫だろう。カースメーカーには敵の耐性を弱点に出来るスキルがあるみたいだから、それ使えば案外楽なのかも知れねーな。 | |
どれもこれも私たちのギルドにはいないではないか。どうするつもりだ? | |
うーん、そうだなー。俺に打てる手があるとすれば……!! | |
どうした? | |
……いや、何でもない。それよりみんな何度もあんな化け物に挑んでくたびれただろ、今日はもう休んどけ。 | |
そうだねー。じゃ、ボクはもう休ませてもらうよ。 | |
じゃあ僕も。 | |
……おやすみ。 | |
……。 | |
何だ? 休まないのか? | |
どうせお前のことだ、またとんでもないことを思いついたのだろう? | |
……バレたか。まあ、明日になりゃあわかるさ。 |
……それで、奴は伝言一つ残して姿をくらましてしまった。これがその伝言の中身なのだが。 |
「俺はしばらく修行の旅に出るから、みんなは適当にクエストでもこなして過ごしていてくれ。俺が不在の間はカリンをリーダー代行とする。以上」
まさかこう来るとは思わなかった。 | |
……あの、大丈夫なんでしょうか、一人で行かせてしまって? | |
私が知るか。まあ奴のことだ、犬死にはすまい。しかしあいつ、ギルドの資金を 30,000 エン強持っていってしまったぞ。いよいよもって仕方のない奴だ。 | |
ところでボクらに出来るようなクエストって依頼されていたっけ? | |
まず入っているのは「頼もしく愛らしき伴侶達」だが……何だ、ただペットを連れていけばいいだけか。いや待て、何でこれがギルド長から私たちへの指名クエストなのだ? | |
……ギルド長の親戚の貴族の子供の警護、とあるわね。 | |
職権の濫用ではないのか、これは? | |
まーまー、いいじゃんたまには。ところで前から気になってたけどさ、カリンってギルド長の事が好きじゃないっぽいけど、一体どうして? 案外気さくでいい人じゃん、ギルド長。もしかして微妙にキャラが被ってるから? | |
…… | |
あ、あれ、もしかしてビンゴだった? | |
…… | |
ちょ、冗談だって冗談。ほら、その、弓を構えないでー! | |
……とりあえず僕は良さそうなペットを見繕ってきますね。 | |
……私も行こうかな。 | |
ちょ、またこの展開!? |
ギルド長が動物が苦手だったなんて意外でしたね。 | |
……だから私たちに依頼が回ってきた、と。 | |
なるほど。確かにそうでもなければ、自分でやっちゃいますよね。ところでカリンさん達は何処へ? | |
……いわゆる「お前ちょっと便所来い」にしては長いよね。 | |
何です、それ? | |
……知らないんなら、そっちの方が健全よね。 | |
ただいま…… | |
あ、お帰りなさい。何処行ってたんですか、二人して。 | |
依頼の一つの「旅人を癒すは旅人の強き腕」を終わらせてきた。 23F に不審な苗木があるので調査してくれとのことだったが、まあ特に戦闘をするわけでもないので私たち二人でも問題なかった。ちなみに苗木の場所は以下の通り。 |
この地点でイベントが発生するので、一歩南へ進めば目的の苗木がある。その苗木からは果実が採れたが、あと一回しか採れないようだ。 | |
ぶっちゃけ FOE よりもカリンの方が怖……いえなんでもないです。 | |
これで僕達にできそうな依頼は全部終わってしまいましたね。「空白の座標」は 24F に到達できないと出来ませんし。 | |
あとは奴の帰還を待つばかりか……。まあ、しばらくは休暇を取ることにしようか。 |
数日後……
えーと、何で俺は帰ってきて早々、正座させられて膝の上に重石を乗せられているのでしょうか。 | |
まずはきちんとした説明をしろ。リーダーの分際で突然失踪するなど、世の中を舐めているにも程があるぞ。 | |
みんな心配していたんですよ、本当に。 | |
お前のいない間にボクが一体どんな目にあったと思ってるんだい? | |
……それは自業自得。 | |
ま、説明ならきちんとしてやるよ。まずはこの写真を見てくれ、こいつをどう思う? |
すごく……ってちょっと待って、これ一体どういうこと? | |
……はぁ? | |
一人でスキュレーを倒したというのか? | |
(呆然) | |
いや、一体どんな外道な真似をすればこのようなことが出来るのだ? それからこれが一体ジャガーノートとどう繋がるのだ? | |
いやー、仕掛けは単純。斬撃の守り三つつけてブレイバントを使って、そしてトラッピングを使えば勝てなくもない。ぶっちゃけ運勝負だけど。 | |
トラッピング? 今まで話題にも上っていなかった技だが、それだけで勝てるものなのか? | |
勝てるも何も、これは俺がエトリアを制した技で、ダークハンターの最終決戦奥義だ。使いようによっちゃエクスタシー以上のダメージを叩き出せる。試してみたけど、大体通常攻撃の4倍のダメージだった。 | |
……今まで使ってなかった理由は? | |
実はエトリアでは剣スキルだったんで、そもそも意識の外にあったってのが一つ。それで今回は剣と鞭の共用スキルになったんだけど、これ両方のマスタリーを 8 まで上げないといけないから、ある程度のレベルがないと厳しいんだよ。 | |
そういうことか。しかしこれを使うとなると、ダメージの軽減が必要に……ああそうか、奴には腕技がないから、遠慮なく腕封じができるのか。 | |
そゆこと。その上頻度の高い攻撃が複数対象の攻撃だからな。腕封じすれば強化なしでも即死しないことはわかっていて、既に息切れする前に削りきれるかどうかの問題だったんだよ。大体 20 ターン半ばを過ぎるとジリ貧になって勝ち目が薄くなってくるから、それまでに倒すには……というところから計算したわけさ。じゃ、早速リベンジだ。 |
いきなり腕封じに成功して、なんつーか笑いが止まらねー。こんときゃブン回しを喰らったんだけど、見事に死亡者ゼロ。 | |
本当についていたな。ここで封じに失敗すると、普段であれば確実に一人は戦闘不能だ。 | |
あとはボクが猛き戦いの舞曲を歌って準備完了。これで今回ボクは仕事終わり。あとは TP の切れそうなメンバーにアムリタ使うぐらい。 |
上がトラッピング一発のダメージで、下がチャージサンダーのダメージ。ちなみにアザーズステップから打てば蛮勇の障壁には引っかからない。 | |
複数回入れば、トラッピングの方が大ダメージになるんですね。 | |
物理耐性の上から術式以上のダメージとか超意味不明だから。宇宙ヤバい。 | |
三回決まればエクスタシー以上だからなー。あと今回は攻撃が自分に来たときも仲間に来たときもまったく同じ威力だった。こりゃエトリアの時以上の決戦兵器だ。これで勝てなかったらそっちの方がおかしいよ、まったく。 |
ドロップアイテムが三つ全部手に入ったんだけど、とどめはチャージサンダーだったから術式で倒すとドロップなのかな? | |
結果としては文句なしの勝利だが、実際にはかなり大変な戦いではあった。 |
私は殆どアザーズステップしか使っていなかったのだが、私から見ると何かのコントだったぞ。 | |
そこら辺の運が悪くなけりゃ、 10 ターンかそこらで倒すのも不可能じゃなかったかなー。ま、そこまで贅沢はいわねーけど……。そうそう、ジャガーノートを倒した先の通路の右には抜け道があるから、きちんと開通させとくこと。 | |
逆側の通路にはまたよくわかんないメッセージがあったよ。 |
……やっぱ連中の研究は失敗に終わったのか? そうなると、諸王の聖杯の効果がいよいよもって怪しくなってきたな。 | |
待て、だとすると大公の病気を治せないということになるぞ。 | |
とりあえず先を急ごう。とっとと野郎をはっ倒して聖杯の真贋を見極めにゃならん。 |