Diary?::2006-03-12

04:11

これってかなり昔から言われていることじゃなかったっけ? 異常犯罪者の多くは身体に特性を持っているとか、顔の傷を手術で取り去ったグループは再犯率が低下しただとか。もっとも、容姿で差別される環境が犯罪の引き金になっているという理屈も成り立つだろうから、一方向からの見方は良くないのだけど。まあ、これも卵 / 鶏問題だな。

俺は容姿というか目つきや表情にその人の内面は結構な確率で反映されていると思ってる。いや、時として内面どころかどの程度優秀あるいはバカなのかとか、その知能レベルまで判断できることがあるとも。

ところで人を見た目で判断するなってのはとんでもない事だよな。どういう人物なのか (あるいはどういう風に見られたがっているのか) をその容姿で表現している人もいる (っていうか俺がそうな) わけだから、それを無視するってのは相手に対してとてつもなく失礼じゃないか? 自分の見てくれに無頓着かどうかってのも重要なメッセージなんだし、それらを読み取ることを放棄するのは知的怠惰といっても問題ないだろう。

10:54

ブログの炎上だの不毛な論争だのが無くならないのって、もしかしたら議論とブレインストーミングとディベートがごっちゃになっているからかもしれない。この 3 つは欠片たりとも似ていないので、混ぜた所でよくわからない有毒物質が生成されるだけなんだが。

議論
最初に提示された複数のアイディアを一つに収束させる。基本的に議論が始まったら新しいアイディアを提示するべきではない。例えば「Ruby, Perl, PHP のどれでこのアプリケーションを作るか」という議論であれば、よほどの事が無い限り「Python でよくね?」などと言ってはいけない。そういうことは議論が始まる前に提示しておくこと。
ブレインストーミング
可能な限りアイディアを発散させる。重要なのはどれだけアホな意見でもブレインストーミング中はそれを否定しないこと。例えば祭の企画のアイディア出しで「ドキッ! 男だらけの裸祭! ぬふぅもあるよ」などというとち狂ったアイディアが出されても、その場では絶対に「それはダメだろ」等と言ってはいけない。もしかしたら別のアイディアの火種になるかもしれないのだから。
ディベート
ある主張 (正しいかどうかという観点から結論を出しにくい、あるいは出せないものが望ましい) に対して肯定側と否定側に分かれ、有限回数の発言でその論理性の優劣を競うゲーム。重要なのはゲームの結果とテーマとなる主張の是非は無関係ということ。例えば「Kuwata Chikara は腹を切って死ぬべきである」というテーマでディベートした結果、肯定側が勝ったとする。だからといって俺が腹を切らなければならないということには決してならない。だってこれはゲームなんだから。

実の所、グダグダになったりフレームが起こるのは上記の 3 つの区別がついていないからだと思う。議論の最中にブレインストーミング的にアイディアを出していったらいつまで経っても収束しないし、ディベート的な論理合戦では決着が着かない。特にディベートは一番混ぜてはいけない要素だろう。ディベートはとても特殊なルールで行うゲームだからだ。

例えば「Ruby は Python よりも優れている」という議題でディベートを行ったとする。この場合、肯定側が Rubyist ばかり、否定側が Pythoner ばかりという構成にしてはならない。出来れば両者を入れ換えるあるいはミックスした方がよい。もしくはどちらの言語に対しても中立な連中でやるとか。

基本的な流れとしては肯定側がその根拠を述べ、続いて否定側がその根拠を述べ、お互いに最初に言った内容を元に自説の補強と相手への追求を行うというスタイルになる。そしてその論戦全体を司会が採点して、勝敗を決定する。

例えば態度や言葉遣いも採点の対象だし、相手の知らなさそうな単語を無説明で使ったら減点となる。「Ruby には callcc があるんです」と言ってもそれは Python には無いのだから、 callcc が何なのかを説明しなければならない (司会者含めたメンバー全員が知っていても)。他にも最初の根拠の述べあいでスレッドの話が出ていないにもかかわらず「Python にはネイティブスレッドがある」などと反論フェーズで言い出すのは御法度。

ところがグダグダな議論の多くはディベート的に相手を打ち負かすというスタイルで参加者が発言しているために、いつまで経っても平行線を辿ることになるし、次から次へと新しい攻撃材料が提供される。そりゃそうだ、だって誰も負けたくなんかねーもの (もし負けたがる奴がいるとしたら、そいつは単なるチキン野郎の役たたずだ)。そしてこういった議論、いや議論もどきはテロリズム的に唐突に行われ、司会者不在で進行するために参加者は基本的に止まらない列車に乗ることになる。

勝敗という概念があるのは上記の 3 つの中ではディベートだけである (強いて言えば、有益な結論やアイディアが出せたら議論やブレインストーミングは参加者全員の勝ちであり、何か問題があって失敗したら全員の負けとも言える)。だから議論において自分の推しているアイディアが却下されても、それはその人の勝敗とは全く無関係である。だがそれがわかってない人が多いのは Web を見渡せばわかるだろう。

だから有意義な議論を行うためには、出来れば中立な司会者を用意するか最低限の共通のバックグラウンドを持った同士でのみ行うかしかない。技術者系の主催する場では全体的にまともな進行になるのは、多分そこら辺が関係している。もしくは専用のシステムを作るとか (ログイン必須でメンバー数と一人当りの発言の上限付きとか)。

11:34

ほんつなが面白すぎる。以下、対話ログ。最初に探したい本ありきで使うという本来の用途から外れた使い方なのだけど、しおりちゃんならわかってくれるよ。ちなみに目的の本にはたどり着けた。


しおり:
どんなテーマを扱った本が読みたいですか?
あなた:
地獄 野球
しおり:
なるほど、他に何か大事なことはありますか?
あなた:
ラーメン
しおり:
……ということは、「石神秀幸」も入れておいたほうがよいですか?
あなた:
いいえ
しおり:
ニホンゴ、ムズカシイデス……
しおり:
そういう流れならこれも、っていう言葉はありませんか?
あなた:
プレイステーション
しおり:
一番重要視したいのは三つのうちのどれですか?(麺/食べる/噂)
あなた:
どれでもない
しおり:
今ので方向性が見えたような気がします。
しおり:
「野球」について別の表現で説明していただけますか?
あなた:
殺し合い
しおり:
関係ありそうな要素を挙げてみたんですけど……この場合、三番目?(神奈川/首都圏/双葉社)
あなた:
どれでもない
しおり:
ちょっと整理しなおしますね。
しおり:
他にどんなことが重要なポイントですか?
あなた:
ハルマゲ野球
しおり:
「地獄」と「野球」が重要なら……「SELECTION」も重要ですね?
あなた:
いいえ
しおり:
がーん……
しおり:
「地獄」ってどこかで読んだ記憶はあるんですけど……詳しく教えていただけますか?
あなた:
ジャンプコミックス
しおり:
ちょっと待ってくださいね……「地獄」と「野球」がポイントということは、「真倉翔」も関連しますよね?
あなた:
いいえ
しおり:
修行が足りませんでした…
しおり:
「地獄」……聞いたことはあるんですけど……詳しく教えていただけますか?
あなた:
漫☆画太郎
しおり:
三つの中で一番興味があるのはどれですか?(岡野剛/先生/伝一)
あなた:
どれでもない
しおり:
(この候補群が関係なかったということは……)
しおり:
「野球」と同じくらい重要なものはなんですか?
あなた:
外道
しおり:
追加キーワードとして、あえて選ぶならどれがいいでしょう?(本庄敬/こせきこうじ/武内)
あなた:
どれでもない
しおり:
今のでいい質問を思いつきました。
しおり:
わかりました。 これまでのやり取りからあなたのイメージにあいそうな本を探してみます。

途中で殆んど正解に導けそうな解答をしているのは、単に俺が根負けしたから。

14:54

俺はネットとリアルという表現はなるべく避けて、オンラインとオフラインという風に表現している。何だかリアルという言葉に対比させてしまうと、ネット上の全てが虚構になってしまうように思えるから。

そういう言葉を使ってしまう人は、オンラインでの自分とオフラインの自分を分けて考えているのだろうね。それに対して俺は両者を分けている訳では無いので、オンライン / オフラインという認識になっていると。なんか実名 vs 筆名の構図に近いかもしれない (当然、必ずしも筆名を使っている人がネット / リアルという認識では無いのだろうけど)。

19:13

「JACKASS」とかいう MTV のバカ番組の DVD を妹一号が買ってきたのだが、これがもう本当に大トロ級のバカ。ただ単にいたずらを仕掛けて笑いころげるというだけなのだけど、そのレベルが日本人の感覚とは違う。他人の家のリビングにアリゲーターを放しておくとか、コンドームにミニカーのおもちゃを入れて、それをケツに入れて医者に行くとか。流石はメリケン。

因みに日本ロケ (ロケって言えるのか疑問だが) の奴も収録されていたのだが、それがまたアホ以外に表現できなくて笑える。いや、巻き込まれた人達には良い迷惑だけど。

Written by Kuwata Chikara
Creative Commons