22:37 読書記録「Liar Game (1), (2)」
粗筋。「『バカ正直の直』と呼ばれるぐらいバカ正直な神崎直は、とても非人間的な騙し合いゲームに巻き込まれてしまいました。ルールは『期日になったら送った 1 億円を取り立てる』ただそれだけ。あっさりと 1 億円をまるまる騙しとられた直は、天才詐欺師の秋山深一に助けを求めました。はてさてどうなることやら」。
秋山がダーティーヒーロー三原則に忠実なダーティーヒーローなのでそれだけでも大満足。その上やってることが限定状況下の心理戦で、しょっぱなの内容が消耗戦のすり潰しあいだというのだからたまらない。
因みにダーティーヒーロー三原則とは、
- ダーティーヒーローはサディスティックでねじ曲がった行動・言動をしていなければならない。
- ダーティーヒーローは倫理や常識を高みから俯瞰していなければならない。
- ダーティーヒーローは最終的には甘ちゃんでなければならない。
まあ今とっさに考えたんだけど、過去のダーティーヒーローと呼ばれるキャラクターは大体これで説明できるだろう (ブラックジャックとか)。
そして事の発端の神崎がこれまた見事なダーティヒーローものに必要不可欠な (と俺が思っている) タイプのヒロインでこれまた満足。
「カイジ」と舞台設定が似ているというのはその通りだろうけど、両者は根本的に別物。「カイジ」ではカイジが破滅することすら可能性として存在しているのに対して、こちらは秋山がまず負けない (最終的に勝つ) だろうといのが最大の相異点。何だかんだいってこの漫画はヒーロー物だろうから、グチャグチャドロドロ感を楽しむ「カイジ」とは対極に存在してる。どっちかっつーと「刑事コロンボ」や「古畑任三郎」に近いかな。
以下はネタバレを含む内容なのでまだ読んでない人は回れ右。
- 一回戦での勝ち手段である張り詰めたテンションを一旦弛緩させるは、結構いろんなところで応用されているテクニックだと思う。
- ホラー映画とか (脅威が去ったと思ったら別の脅威が)。
- 人心掌握とか。最初は強気で恫喝して、その後優しくなって懐柔。
- たしか土方歳三が使っていたという話を聞いたことがあるが、真偽不明。
- それにしても相手を精神的にいたぶる秋山が楽しそうだ。
- 二回戦の勝ち手段は「ジャンケンは理論上グーとチョキだけで勝てる」をスケープゴートにして共闘関係を悟らせないというテクニック。普通に考えれば既に誰かと組んでいるというのが一番ありそうなやり方なわけで、そこから一旦外れたように見せかけてまた戻ってくるという転がしかたは感心した。
- 裏切るのがバレバレなキャラをアサインしておいて、単なるミスリード要員と思われていた奴をさらに活用してきたのも見事。
- さりげなく神崎の行動がダメ押しになってるのも好きな演出だ。
- ところで三回戦以降は神崎が絡めそうもないのだけど、どうなるのだろう。ピンチに陥った秋山が神崎の何気ない一言とかがきっかけで切り抜けるとか、そういうベタな展開は嫌いじゃないのだけど。
- 正確には、こういうトリッキーな仕掛けの場合はベタな演出でバランス取してもいい。
23:59
最近インプットの自給自足が出来てない。漫画とニュースサイトで拾ったネタに偏りすぎ。
全部卒論が悪い。
(あー、書かなくてもわかると思うけど一応書いて置くけど、ギャグだからな。いるんだよな、こういうのに脊髄反射して説教始めるバカが)