Diary?::2005-10-20

01:19

オンラインショッピングとオフラインでは、一体どちらが危険なのだろうか。仮にオンラインが危険だとして、それはトレードオフがきちんと取れているのだろうか。

そんなことはどうでもいいとして、流石に日記を書き始めてから3ヶ月目ともなると Webdruid で解析した結果がいい感じにカオスになってきて実に愉快だ。時々リファの誤爆があって有り得ない形でグラフが描かれるのもまた一興。

04:25 「地獄甲子園讃歌あるいは三橋萌えあるいは野球なんか見たく無い」

数日前、大学で後輩と漫画について話しているうちに、何故か「地獄甲子園」の話になった。まあ俺の所属しているコンピュータ部は部室に「地獄甲子園」が常備されているような所であり (そのうちシグルイを持っていくつもり) 、その手の話題が出るのはまったくもって自然の摂理なのだけれど、俺はそのとき「『地獄甲子園』はあくまでも俺にとってはこの上なくまともな野球漫画だ」と言っていた気がする。

俺が「地獄甲子園」を評価しているのは、以下の理由による。

前者はおいといて、重要なのは後者だ。「地獄甲子園」の内容をかいつまんで書くと、「野球を口実に非道の限りを尽くす外道高校に、主人公たち喧嘩野球戦士が戦いを挑むはずだが、何故か唐突にラーメンの話になったりラブコメという概念に硫酸をぶっかけた話になったり小規模なハルマゲドンが起こったりそれはもう混沌の極みとなり、最後はあまりといえばあまりなオチで終わる」。以上、一切嘘はございません。殆んどまともな野球をしているシーンは無いが、このことは野球漫画、いやスポーツ漫画全般への強烈なカウンターパンチに思える。

俺は野球漫画に限らずスポーツ漫画が嫌いだ。スポーツ漫画なのだから、スポーツさせるのはとてつもなく当り前のことだ。だが、「問題を抱えた主人公」が「友人やライバルとの出会い」、「物凄い努力をして」その結果として「 (チーム競技であれば) 弱小チームを優勝させる/ (個人であれば) 主人公が優勝する」といったテンプレートを延々と見せられるのは我慢ならない。スポーツ漫画に限った話では無いが、こういう避けることが困難なテンプレートがある以上、その中でどうやって個性を出すかが勝負だろう。

そして俺が面白いと感じる漫画は、次の三つのどれかである。因みに俺はバスケ、サッカー及びバレーは見るのもやるのも大嫌いなので、そっち方面の漫画はあまり読んでいない (「リベロの武田」は結構面白かったが) 。

そして俺が一番高く評価する可能性がある、つまり期待値のもっとも高いのは三番目である。

横軸と縦軸という言葉がある。「『X-FILE』は超常現象を横軸に、国家機密にかかわる陰謀を縦軸にしたドラマである」などと使うのだが、これを地獄甲子園に当てはめると「『地獄甲子園』は野球を横軸に、画太郎ギャグを縦軸にした漫画である。ただし『画太郎係数』が掛けられているため、結果は純粋なカオス」。これはモチーフとストーリーと言い替えた方が分かり易いかもしれない。スポーツ漫画のテンプレートは「スポーツを通じた主人公の成長」とでも言えるのだが、それがどれだけ陳腐かは自明なので割愛。

「地獄甲子園」は野球をモチーフにすると見せかけて超人バトルを描き、さらにはそれすらダシにして狂気と混沌を描いた作品であり、「おおきく振りかぶって」は心理描写を含めた試合描写の巧みさなどで騙されそうになるが、作者が描きたいのは明らかに野球では無くて高校球児だ (大体、作者本人が三橋に萌え狂っている) 。

「地獄甲子園」の無茶苦茶さは恐らく、野球でしか表現できなかっただろう。試しに「地獄柔術」とか「地獄ラクロス」とか「地獄カバディ」とかを考えてみるといい。根本的に違う物ができあがるだろう。どれとは言わないが、多くのスポーツ漫画のストーリーは別にそのスポーツである必要は無いだろうが (要するに努力/友情/勝利が描けていればいいのだから) 、「地獄甲子園」は野球である必要がある (だって野球を破壊する漫画だし) 。

結論としては、題材に必然性の感じられない漫画は (例外はあれど概ね) 嫌いだということ。俺が恋愛漫画をあまり好まないのは、きっとそこらが理由なんだろう。

以下は蛇足。俺のスポーツに対する感覚を四種類に分類すると、「見るのもやるのも好き」「やるのは好きだが見るのは嫌い」「見るのは好きだがやるのは嫌い」「どっちも嫌い」なのだが、野球は「やるのは好きだが見るのは嫌い」でサッカーとバスケは「どっちも嫌い」となる。そもそも俺はスポーツ漫画向きの感性では無いのかも。

12:14

一月分の日記がやたらめったら長くなるのは正直どうかと思うので、やはり見出しのみ列挙とかにした方がいいかも。ってか今月は既に 130KB とかわけわかんない事になってるよ、これじゃ読みにくいにも程があるだろう。

そもそも少しでも万人向けの日記ツールにしようという考えが間違いだった。これはもう、一日に書く日記の量がバカみたいな人向けのツールということにしよう。でもそれって日記ツールである必要があるのかという疑問が思い浮かんだが、まあいいや。

16:42 漫画感想「魔界転生」

俺が持ってるのはコンビニで売られてる奴だけど、まあいいや。

この漫画が狂気の事象地平の向こう側に存在することはわかるのだけど、一体それは原作の山田風太郎と作画の石川賢、どっちの責任なんだ (「バジリスク」を踏まえて考えると、主犯は石川賢か)? 原作の小説は一行たりとも読んでいないので、断定的な事は書けないけど。さらには石川賢にも山田風太郎にも詳しくないので、一体「魔界転生」はどれだけ石川標準及び山風標準に照し合せて狂っているのか、見当もつかない。

それにしても凄い漫画だよなあ。原作の発想、つまり「天草四郎とか宮本武蔵とか柳生十兵衛にアルティメットファイトさせたら面白いに決まっている」も相当アレだし、そのために考え出された忍法というよりは黒魔術の忍法・魔界転生も凄まじくアレだし、そして何より作画というか造詣が筆舌に尽くし難い異常さ。面白いのは間違いないのだけれど、その面白さを構成するパーツがよりによってアレなので、瘴気の塊と化している。

さて、俺は次ぎに何を読むべきか。「バジリスク」「魔界転生」ともに当たりだったので、山田風太郎の忍法帖シリーズにでも手を出すかな。

Written by Kuwata Chikara
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