| ……結局、世界樹が本当のところは何者だったのかは分からず終いか。 |
| そうだよなー。それが謎として残っちまってるんだよなー。 |
| 思い返して見ると、やっぱり世界樹の掌の上で踊っていたような気がするわ。 |
| そもそも世界樹って本当に俺たちの味方なのかも怪しいしな。 |
| 考えても仕方ねえか。俺たちは真実に辿り着けなかった、それだけのことさ。 |
| とか言ってて、全然割りきれてなさそうだけどね。 |
| ……まあな。俺だって人並みに好奇心はあるさ。 |
| そんで、お前らこれからどうすんだ? |
| そもそもあたしたち、ここには単なる金儲けにやってきたのよね。 |
| 金なら十分稼いだからな。となると、やっぱ他の世界樹の伝説が気になる。 |
| そんじゃ結局また旅に出るのか。 |
| 俺たちが航路を復活させたおかげで、大陸の方にも行けそうだからな。 |
| ってそういうあんたはどうするつもり? |
| そもそも俺は船を手に入れて海賊を率いるためにここに来たんだよなー。 |
| ……そうだっけ? |
| なんか微かにそんなこと言ってたような覚えがあるな。 |
| お前ら……まあそういうわけだったんだが、今は何かこう、普通の船乗りもいいかなーとか。 |
| ってか冒険者稼業は廃業すんのか? |
| いや何つーか、冒険者としての突破者が目の前にいるとだな、同じ事で張り合ってもなーと思ってよ。 |
| うん、まあなんとなく気持ちはわかるわ。あたしもたまに付いて行けなくなるし。 |
| ……俺ってそんなにアレか? |
| 安心なさい、あんたと寝食を共にしてるあたしらも十分アレだから。 |
| まあとにかく、俺はお前らとは違う道になっちまうが、世界を飛び回るのは同じだからよ。 |
| それならまたどこかで会えるかもね。 |
| なんだったら大陸までの船旅はあんたにお願いするとするかな。 |
| 当然、料金はまけてくれるでしょ? |
| 調子いいなお前ら。ところでこのギルドの看板はどうすんだ? |
| そんなもん誰かにくれてやれ。どうせ俺たちはこの街を去るんだ。 |
| それじゃ、出発の日取りは…… |
Fin.