

![]() | あんたこそ、巧拙は別に百年前の大異変からよくやってたと思うよ。 |
![]() | でも本当の目的だった深王の帰還は叶わなかったんだから、何か複雑な心境。 |
![]() | つっても、あの状況じゃどうにもなんなかったしなー。 |
![]() | ……次は深都だ。 |


![]() | えーと、前の記憶は全部消されてるはずだけど、深王の事がどこかに残ってたみたい。 |
![]() | それが幸福なことなのか不幸なことなのかは、俺にはまったくわからねえけどな。 |
![]() | まーたお前はそう斜めに構えやがって。 |
![]() | とりあえず魔が消え去った以上、後のことは深都と海都の人たち任せで大丈夫よね。 |
![]() | 流石にそんぐらいは大丈夫だろ。それなりに手練の冒険者も増えてるようだしな。 |
![]() | ……結局、世界樹が本当のところは何者だったのかは分からず終いか。 |
![]() | そうだよなー。それが謎として残っちまってるんだよなー。 |
![]() | 思い返して見ると、やっぱり世界樹の掌の上で踊っていたような気がするわ。 |
![]() | そもそも世界樹って本当に俺たちの味方なのかも怪しいしな。 |
![]() | 考えても仕方ねえか。俺たちは真実に辿り着けなかった、それだけのことさ。 |
![]() | とか言ってて、全然割りきれてなさそうだけどね。 |
![]() | ……まあな。俺だって人並みに好奇心はあるさ。 |
![]() | そんで、お前らこれからどうすんだ? |
![]() | そもそもあたしたち、ここには単なる金儲けにやってきたのよね。 |
![]() | 金なら十分稼いだからな。となると、やっぱ他の世界樹の伝説が気になる。 |
![]() | そんじゃ結局また旅に出るのか。 |
![]() | 俺たちが航路を復活させたおかげで、大陸の方にも行けそうだからな。 |
![]() | ってそういうあんたはどうするつもり? |
![]() | そもそも俺は船を手に入れて海賊を率いるためにここに来たんだよなー。 |
![]() | ……そうだっけ? |
![]() | なんか微かにそんなこと言ってたような覚えがあるな。 |
![]() | お前ら……まあそういうわけだったんだが、今は何かこう、普通の船乗りもいいかなーとか。 |
![]() | ってか冒険者稼業は廃業すんのか? |
![]() | いや何つーか、冒険者としての突破者が目の前にいるとだな、同じ事で張り合ってもなーと思ってよ。 |
![]() | うん、まあなんとなく気持ちはわかるわ。あたしもたまに付いて行けなくなるし。 |
![]() | ……俺ってそんなにアレか? |
![]() | 安心なさい、あんたと寝食を共にしてるあたしらも十分アレだから。 |
![]() | まあとにかく、俺はお前らとは違う道になっちまうが、世界を飛び回るのは同じだからよ。 |
![]() | それならまたどこかで会えるかもね。 |
![]() | なんだったら大陸までの船旅はあんたにお願いするとするかな。 |
![]() | 当然、料金はまけてくれるでしょ? |
![]() | 調子いいなお前ら。ところでこのギルドの看板はどうすんだ? |
![]() | そんなもん誰かにくれてやれ。どうせ俺たちはこの街を去るんだ。 |
![]() | それじゃ、出発の日取りは…… |
彼らが旅立ってしばらく後……
![]() | やっと着いたわ! 一体誰のせいでこんなに到着が遅れたのかしら!? |
![]() | ってそりゃ姫様があっちこっちに寄り道するから…… |
![]() | ああああ!? |
![]() | ……何でもございません。 |
![]() | とはいえ、些か遅れすぎたのは間違いないでしょう。既にあらかた迷宮は踏破されている模様。 |
![]() | ふむ。となると我らにできる事は限られるのう。 |
![]() | あら? 何かギルドメンバー0のギルドがあるぜ? |
![]() | 「俺たちの辿り着けなかった真実に辿り着いてみろ」……何このメッセージ? |
![]() | 他に残された資料や資材から察するに、故あってこの地を離れる事になったギルドでしょう。 |
![]() | となると、これを利用して迷宮の残りを踏破せよとのことか。 |
![]() | これを利用しない手はないんじゃね? |
![]() | えーと、ギルド名は「スーパーノート」? どういうセンスなの前任者は? |
![]() | でもこれは到着の遅れた我々にとっては渡りに船ですよ。 |
![]() | そうね、その通りだわ。それじゃあ二代目スーパーノートを勝手に襲名、行くわよあんた達! |
Fin.