……最悪だ。 | |
ただでさえ厄介なところにぬかるみかよ、どんだけ厳しいんだここは? | |
でもこうでもしないと、侵入者を防げないのかも。 | |
でもだったら、俺らには安全なルートを教えてくれても良さそうなもんだぜ? | |
いや、元は多分そんな危険なところじゃなかったんだろう。 確かいつの間にか魔物が住み着くようになったって言われただろ。 | |
つまりはどっちにしろ、いつものように踏破しろと。 | |
結局はそうだな。 |
(まるで俺たちに諦めてくれって言ってるようにも思えるな) | |
(って、兄妹で殺し合いをさせるわけにはいかないでしょ) | |
(つっても深王が記憶を失ってる以上、止められたところで後味悪いぜこれ) | |
(なんとか思い出させてあげられれば、事態は良くなるんでしょうけど) |
あと厄介なのは、少なくともオランピアは俺たちを殺る気満々ってことだ。 | |
ムロツミの事もあるから複雑な心境だけど……戦わないで済めば、それでいいのに。 | |
俺だって別に連中が悪い奴らだとは思っちゃいねえし、戦いたいとも思わねえよ。 | |
確かに悪い奴らじゃないだろうよ。だが…… | |
「だが」何なんだ? | |
いやなんでもない。先に進もう。この程度の包囲網なら、適当に試行錯誤してりゃ抜けられる。 |
おい、この辺はどうも行き詰まりくせえぞ。 | |
となると、怪しいのはこの鳥居だな。 | |
でもくぐった時には別に何も…… |
え? | |
おい何か瞬間移動したぞ? | |
特定の方向からくぐるとワープか? ったく七面倒なものを作りやがって。 |
多少怪しいってかあやふやな気がするが、多分こんな感じだろ、このフロアは。 | |
こんだけ探しても、結局のところ深王とは出会わなかったな。 | |
もっと先に進まれてるって事? | |
となると、ゆっくりしてる暇はないな。 | |
そうだな、手遅れになってたら洒落にならねえ。急ぐか。 |