![]() | このフロアにアマラントスがあるはずなんだけど…… |
![]() | 落とし穴だよな、これ? |
![]() | こんな丸見えの落とし穴に落ちるバカなんているわけないでしょ。 |
![]() | どうも嫌な予感がするな。 |
![]() | えーと、落とし穴に落ちながら進めと。 |
![]() | 正確には、落とし穴に落ちて、階段を昇っての繰り返しだな。 |
![]() | ったく、こういう穴を放置してる神経が信じらんねーな。おかげで探索が面倒だ。ぜ。 |
![]() | いや、マップを見る限り、構造自体は単純なんじゃないか? |
![]() | んー、その根拠はなんだ? |
![]() | 試しに穴に落ちてみりゃわかるさ。 |
![]() | そうか? そんじゃーこの穴に……。 |
![]() | いや、そっちじゃない。南の方の奴だ。 |
![]() | 前の方に階段が見えるだろ? あれ、上のフロアからはどうやっても辿り着けなかった奴だ。 |
![]() | おお、そういやそうだ。 |
![]() | つまり、どうしても辿り着けそうもない階段に繋がっていそうなのが正解の落とし穴? |
![]() | というか、それしか考えられないだろ。 |
![]() | ギミックとしては、そこまで難解じゃないって事ね。 |
![]() | 代わりに敵のエンカウト率が高めに感じる気がする。 一度に出てくる量も増えそうだし、あの手を使うか。 |
![]() | ? |
![]() | 「忍法水鏡」だ。耐性がない限りはかなりの確率で状態異常を伝染させられる。 |
![]() | お前、こんな便利な技があんならもっと早く使えよ! |
![]() | しょうがねえだろ、シノビはスキルのチューニングが手間なんだよ。 |
![]() | まあまあ、これで大分安全に進めるようになったんだし、ね? |
![]() | どうやらここが儀式の間のようだな。 |
![]() | アマラントスはあっちの壁際にありそうだけど、具体的な位置はわかんないわね。 |
![]() | しょうがねえ、総当たりでやるか。さっさと持ち帰って、本題に入ってもらおう。 |
![]() | これでようやく、海都側の真意がわかる……はずよね? |
![]() | 多分な。これ以上腹のうちを隠されるってのはないだろう。 |
![]() | (……これ、いくらなんでも想定外よ) |
![]() | (姫様も大異変の当事者かよ。それで今までの行動って、どういう事なんだ?) |
![]() | (そういや、海都最後の王には妹がいたとかいう話だったな) |
![]() | (ちょっと、それ聞いてないわよ) |
![]() | (前に話そうとしたけど、お前らが別に良いっつったんだろうが!) |
![]() | (だとすると、深王の態度はあまりにもおかしいが……) |
![]() | (つまり、これまでの行動は兄を救い出すためのものだったと) |
![]() | (そのために百年もの間、散々手を尽くしてきたのか。泣かせるじゃねえか) |
![]() | (しかしこの話が本当だとすると、ちょっと話がややこしくなるな) |
![]() | (へ? そうか?) |
![]() | (世界樹は人間の味方ってよりも、人間を利用してるだけって事になるものね) |
![]() | (単に世界樹は「魔」への対抗策を求めてるだけなのか、あるいは……) |
![]() | 深王と側近ってことは、オランピアか? |
![]() | 十中八九そうだろうな。それで転移装置とかいうのを探しているらしいが。 |
![]() | どうやら新しいミッション発令のようだな。 |
![]() | せっかく海都の目的がわかったっていうのに、深都と揉め事なんてね。 |
![]() | ってか、フカビト相手に一致団結しなきゃならねーってのに、何内ゲバやってんだ? |
![]() | 深王は確かに信用が怪しいが、それにしてもどういう理由で転移装置を探ってるんだろうな? |
![]() | 兄の行動も不安だし、連中よりも先に転移装置を支配下に入れろ、か。 |
![]() | こりゃ一刻を争う事態じゃねーか? 急ごうぜ。 |
![]() | で、さっきも言ったけど、何でフカビトの脅威を前にこうもバラバラになってんだ? |
![]() | 知るかよ、というか深王の考えてる事がさっぱりわからん。 |
![]() | それに……今となってみると、フカビトが本当にあたしたちの敵なのかも怪しくない? |
![]() | おいおい、どうしちゃったんだよ急に? あの真祖、俺たちにフカビトをけしかけてきただろ。 |
![]() | けしかけてどうするつもりだったと思う? |
![]() | そりゃあ俺たちを殺す……ってあれ、何で殺す必要があるんだ? |
![]() | 人間の恐怖が魔の糧なら、殺しすぎたらまずいだろ。 というか、殺すつもりなら真祖が直々に手を下せば手っ取り早い。 |
![]() | そもそも、フカビトってどこまで人に危害を加えるものなの? |
![]() | んー、おっかねえ話は聞いたことあるけど、具体的な事はわからねえな。 |
![]() | 人間を襲うにしても、魔の力の源が源だけに、殲滅戦をしかけてくるとは思えないし。 |
![]() | 仮に人間が噂どおり奴らの食料だとしても、なんか単なる習性程度なきがしなくもねえしな。 |
![]() | 確実なのは二つあって、一つは世界樹が魔とその眷属のフカビトと敵対してるって事。 もう一つは世界樹が俺たちにテクノロジーを授けた事だ。 |
![]() | それってフカビトから見たら、あたしたちは世界樹の眷属も同然って事にならない? |
![]() | ……つまりどういう事なんだ? |
![]() | 人間とフカビトの戦いって、世界樹と魔の代理戦争じゃないのか? あるいは、互いの信仰を賭けた宗教戦争じゃないのか? |
![]() | そうか、そういう考え方もあるのか。 |
![]() | だからといって、何かできるとも思えないのが辛いところなんだけど……。 |
![]() | 今はミッションの事だけを考えよう。深王とオランピア、少なくとも片方は極めてヤバい。 |
![]() | そりゃ百年もの間、海都の冒険者を始末しつづけたんだからなあ。 |
![]() | 一方で、殺さずに助けた冒険者もいる。それがオランピアの独断なのか、深王の命令なのかね。 |
![]() | ヤバい方が何をしでかすか、とてもわかったもんじゃないからな。先を急ごう。 |