「海都で育ててた花を探してこい」ねぇ。今までと毛色の違うミッションじゃねえか。 | |
ミッションとして出されるんだから、ただの花のはずないと思うんだけど。 | |
「永遠に色あせなず、凋まない花」か。考えただけでもゾッとするな。 | |
へ? そうか? | |
それって自然に死ねないって事だろ。花ならともかく、人間がそうなったらと思うと、な。 | |
永遠の命の持ち主の気持ちなんて、とてもじゃないけど想像できないわね。 | |
言われてみると不気味だな。 | |
その不気味な花で、何をしようってんだろうな? |
そんな姫様の容体を和らげるのに、その花が必要と。 | |
確かに聞いただけでなんか薬効がありそうな気がするぜ、そのアマラントスとかいうの。 | |
フカビトに関する話は、姫様の体調が回復してからだそうだ。 さっさとアマラントスを探しにいこう。 |
しかしこの神殿……壁に描かれた絵がフカビトにしか見えないな。 | |
そりゃあフカビトに占拠されて長いらしいから、いろいろ弄られてんだろうが。 | |
ってことは相手は、それだけの知性の持ち主って事ね。 | |
となると、今まで以上に用心が必要だな。前に戦ったフカビトも、連携を駆使してきたし。 | |
それ以前に雑魚の強さが右肩上がりでキッツイわ。 | |
この人数じゃ対雑魚と対ボスで大幅にスキル構成を変えないと厳しいみたいだな。 | |
んじゃ、前から言ってた通り、また休養して振り直しか。 | |
ああ。ちょっと手間がかかるが、他に手がないからな。 |
スキルポイントに余裕が出てきたから、ようやくある意味で理想型の布陣になった。 | |
うんとね、ちゃんと説明しなさい。 | |
いや、単に含針で敵の手数を減らして、飯綱で瞬殺を繰り返すだけ。 | |
俺はなんだ、そのアテが外れたときのフォローか? | |
基本はそう。真っ正面から殴り合ったら勝ち目ねえからな。 | |
バッドステータスでそれを回避すると。あんたらしいわ。 | |
あと、一部のFOEは分身+飯綱連打で倒せることがあったな。それがここでも通用するかは未知数だけど。 | |
ま、これで雑魚相手は盤石なんじゃね? | |
敵の頭数の少ないうちはな。さて、探索開始だ。 |
うげ、なんだ? | |
酒場でちらっと聞いてはいたけど、どうやらこれがこの階層のトラップらしいな。 | |
下をくぐると鉄格子が落ちてきて閉じ込められるって寸法? | |
だろうな。で、多分こういうのの脱出装置はあるはず。 |
んーでもこうやって即座に鉄格子を開けられちまったら、あんま意味なくね? | |
そうでもないでしょ。単純に、来た道を引き返しにくくなるわけだし。 | |
あとは多分、FOE絡みじゃないか? |
ほら。 | |
これ、下手したらFOEと同じ空間に閉じ込められたりしない? | |
その可能性はあるだろうな。 |
結果だけ見ると普通に道順に進んでオッケーだったみたいね。 | |
最初のフロアだからこんなもんか。 | |
前から言おう言おうと思ってたんだがよ、お前ら何か感覚麻痺してね? | |
そうか? | |
普通はよー、トラップが難解じゃなかったら喜ぶべきところだろーが。 何が「こんなもんか」だよ、こんなもんで十分だっつーの。 | |
えーと、悪いのはあたしじゃなくて、全部こいつ。 | |
俺かよ!? | |
だってあんた、強敵との戦いのスリルとかを楽しんでるじゃない。 | |
……まあ、否定はしねえけどな。 | |
だから、それに付き合う方も付き合う方だっつーの。 | |
そう言うあんたはどうなんだよ。 | |
いや俺はお前らにスカウトされて巻き込まれただけっつーかな。 まさかこんな強行軍で冒険をする羽目になるなんて、夢にも思ってなかったっつーか。 | |
あたしはこのトリオが気に入ってるし、あんたも割とそうなんじゃないの? じゃなかったらこんなキッツイ行軍はできないでしょ。 | |
そりゃあ俺だって、この編成が嫌なわけじゃねえし、プログの采配は認めてるぜ? でも時々ふっと思うんだよ。「何か無駄に苦労してねえか」って。 | |
ってか俺たちに声かけられて、即座に逃げなかった時点で運の尽きだったんだよ。 | |
で、時々こうも思うんだよな。「俺らのリーダー、何か人として間違ってないか」って。 | |
こいつが人として間違ってないわけないでしょ。あんたこの期に及んで何言ってんの? | |
お前、それを承知なのかよ! | |
酒場で飲んだくれてた誰かさんは人としてかなり終わってたけどな。まあいい、先に進むぞ。 |