作戦は傲然たる女帝のときと大体一緒だ。俺がまずはひたすら分身する。 | |
分身への回復は必要? | |
ああ、どうもこいつの天地双覇掌は回避しきれないことがあるからな。 |
レベル35でそれなりの防具と壊撃の守りがありゃ、ノーガードでも生き残れるな。 | |
俺は壊撃の守り三つ装備してるからまず大丈夫だしな。このターンで準備は大体完了だ。 | |
じゃ、次のターンから反撃開始ね。 | |
俺は炎の星術を三発撃って、残った分身一体で招鳥を前衛にかける。 シェイリンは炎属性付加の武器で殴って、モーガンはチェイスだ。 |
こいつ妙に耐久力がないから、最大レベルのチェイスフレイムでこのダメージだぜ。 | |
これならさっきよりは早くカタが付きそうじゃない? | |
といっても、こっから数ターンは耐えるターンだ。 |
俺は雲隠で回避率をあげて、物理攻撃の通りやすい頭をひたすら殴る。 | |
おい、何か後衛にも攻撃が飛んできたぞ? | |
招鳥のレベルが高くないから、完全に引き付けるのは無理だ。 | |
じゃ、後衛のあたしたちはひたすらガード? | |
そうなるな。あとは機を見てラインヒールか、あるいは俺がメディカを使うか。 | |
後衛の分身に招鳥じゃだめなのか? | |
もしも列攻撃まで引き付けちまったらヤブヘビだろ。 | |
あ、それもそうか。 | |
被弾率は下がってるから、一気に仕留められることはないでしょ。 |
これでパターン構築は終了。8ターンめ以降は |
これの繰り返し。後衛に飛ぶ攻撃が女帝よりも痛いが、パターン化は容易だ。 | |
あとはこっちのTPとアイテムが尽きる前に倒せるかどうか、ってところね。 | |
与えるダメージがデカい分、何か早くカタが付きそうだな。 |
30ターンめ、5回めのループの途中で撃破だ。 | |
何か倒し方がわかっちまうとあっけなかったな。 | |
うん、今までのボスで一番早く、確実に倒せたかも。 | |
もっともこいつは相性が良かったよ。状態異常中心でやってこられるとキツいからな。 | |
あ、そういえば一度もそういう技をかけてこなかったわね。 | |
それじゃこの作戦はほぼピンポイント運用の作戦か。 | |
ま、他にも打撃力だけが驚異的な奴がいたらそいつに使えばいいさ。 | |
ところでこの作戦って、ぶっちゃけあたしたち…… | |
ストップ、流石にそういう身も蓋もない事言うのはやめようぜ。 | |
んー、何を言おうとしたんだ一体? | |
えーと、何でもない。 | |
ひとまずこれで目標達成だ。元老院に報告しよう。 |
(しかし俺はやっぱあれを倒してよかったのか、まだわからないぜ) | |
(んなもん俺にだってわからねえよ) | |
(やっちゃったものはもう仕方ないでしょ) | |
(あとは次に何があるかだな……) |
何だこれ? | |
どうやら、ギルドでショーグンを雇えるようになったらしいな。 | |
ショーグンかぁ。あたしたちに必要? | |
どうだろうな。この三人旅があんまり辛いんだったら、考えなくもないけど。 | |
……今更人を増やすのも、ね。 | |
なんだかんだいってお前の采配で回ってんだ、そのリズムが崩れんのはなあ。 | |
そうか。そんならいいや。 |
お、早速次のミッションか? | |
気が早いというかなんというか。 | |
次の階層に行く前に、スキル構成の修正が必要だからな。受けるのはまた後だ。 | |
そういや、今の俺らのスキルじゃ雑魚相手にむしろ苦労しそうだからな。 | |
それと、ちょっと深都の様子を見てこようか。 | |
う、何かちょっと気まずいわ。 | |
連中が俺たちを妨害すんのか、それとも無視すんのか、ちょっと気になってよ。 | |
わざわざ正面から探りに行くとか、お前忍ぶつもりがゼロだな。 | |
うるせーな、そもそも俺は心のそこからシノビじゃねえんだよ。 第一、こんな作戦決定にシャシャリ出るシノビがいるか。 | |
じゃあなんでシノビなんてやってんだ? | |
食いっぱぐれなさそうな職業だからに決まってんだろ。 | |
お前、とことん夢がないんだな。 |
とはいっても、俺たちの自由は保証するとよ。 | |
何か気まずいけど、一応これは深都側はあたしたちの事を黙認ってこと? | |
どうかな。自由は保証するっつってもな。 | |
なんだ、何が言いたいんだ? | |
(命の保証をするとまでは言ってないだろ) | |
(あ、そういう解釈もあるわね) | |
(お前、本当に考え方が後ろ向きだな) | |
まあいいや、戻ろう。 |
これで深王とは完全に決裂ね。 | |
仕方がないだろ。これで深王側に付いたら、元老院と決裂してたわけだし。 | |
なーんか連中、お互いに歩み寄る姿勢がないっつーかさー。 | |
うん、そもそも話し合うつもりがほとんどゼロでしょ。 | |
それが一番不自然なところなんだが……考えても仕方ない。 |
ところでその元老院のお婆さんはこんな事言ってるけど、どんな事情があるのかしらね? | |
さあな。婆さんとクジュラが忠誠を誓う姫様が、とんだ食わせ者じゃないことを祈るばかりだ。 | |
それじゃ、前に言ってたとおりに休養して態勢を整えるか? | |
そうだな。他にこんな偏ったスキルと装備が生かせるものがありゃいいんだけどな。 |