……俺は海都側に与することにした。 | |
その理由は? | |
深王の野郎が「人類のため」とか言ってる割に人類を見下したような態度で気にくわなかった。 あとフカビトの真祖に会わせるときに、奴に対する情報をろくに寄越さなかっただろ? | |
その時はいきなり襲いかかられてびっくりしたわ。事前に何か言ってくれれば良かったのに。 | |
あの野郎、俺たちを場合によっては捨て石にする気があるんじゃないのか? あの時も、事前情報なしで乗りきったらよし、やられたらやられたらでよしと思ってたんだろ。 | |
その点、海都側は少なくともそんなことはしそうもない、ということね。 | |
まあ、こいつらも真の目的を隠してたのはいただけねえがな。 それでも兵士や冒険者を気遣ってるだけ幾分マシだろ。 | |
で、俺たちの受けるミッションは一体何なんだ? | |
ああ、ゲートキーパーとかいう奴を倒すのが目的らしい。 詳しい事は今からに姫様に話してもらえるよ。 |
……ということらしい。 | |
おいおいおいおい、何かスゲーヤバいことになってんじゃねこれ? | |
ああそうだな。フカビトの住処に対する防壁をぶっ壊すって話なんだから。 | |
だからお前、なんでそんな冷静なんだよ? | |
仮にフカビトがゲートキーパーで抑え込める程度の奴らなら、別に問題ないだろ。 | |
あ、そうか。あたしたちがゲートキーパーよりも強ければ、フカビトに負けるわけないじゃない。 | |
それに、今のところ俺たちの知ってるフカビトはあのときに戦った連中だけだからな。 他のフカビトどもが一体どういう思惑で動いてんのかもわからねえ。 | |
それを探るためにも、ゲートキーパーを倒すっていうこと? | |
それもある。どっちにしろ、もう賽は投げられたっていうか、投げちまったからな。 | |
やるしかねえって事か。 | |
でもこれ、最悪のケースを想像したら眩暈がしてきたわ。 | |
……その時に俺らでケジメが付けられりゃいいんだがな。 それよか先にクジュラが潜入してるはずだ。とっとと合流しよう。 |
げ、こいつスゲー怪我してるじゃねえか。 | |
よっぽどの強敵なんじゃないの、そのゲートキーパーって? |
……どうもこいつはヤバそうだな。 | |
だろ? クジュラが遅れを取るってんだから、よっぽどヤバいんじゃね? | |
いや、俺が言いたいのはそうじゃないんだけど……まあいいや、やればわかるだろ。 ゲートキーパーはその扉の向こうだ、行くぞ。 |
このゲートキーパー、最初のターンからいきなり構えてきたぞ。 | |
これがさっき言ってた「構え」なんじゃない? | |
ってことは次にクジュラを倒した技を使ってくるに違いない。 | |
当然、全員ガードだよな? | |
まあそうだな。 | |
ということは、構えに対応してガード、その後戦線を立て直すって感じになるの? | |
そうできりゃいいんだけどよ。 | |
? |
え!? |
はぁ!? |
……やっぱりそうか。 | |
「やっぱり」ってどういうこと? | |
一旦戻ろうか。作戦会議だ。 |
何だったんだよ、さっきのアレ? | |
言っとくけどちゃんとガードしたわよあたし。 | |
俺だってそうだっての。 | |
あれは単に攻撃力がデカすぎるんだろう。ガードしても意味ないぐらいに。 とはいっても、お前ら二人は後衛でガードしてれば耐えきれると思う。 | |
それじゃ、あんたは一体どうするつもり? | |
一応、アイディアはあるから試してみるか。 |
壊撃の守りを3つで、ここまでダメージを減らせる。 | |
おお、それなら俺たちも付ければもう大丈夫じゃね? | |
こいつの攻撃がこれだけだったら問題ないと思うけど、流石にそれはないんじゃない? | |
この後の攻撃属性次第じゃ、全員で壊撃の守りフル装備というのが使えるんだが。 |
ってちょっと待ったー、分離って何それ? | |
こいつは予想外……ってかますますヤバいぞ。 | |
どういうこった? | |
わざわざ分離したってことは、それぞれで全然別系統の攻撃を使うって事だろ! | |
もしそうだったら、壊撃の守り作戦が使えないじゃない! | |
まあ、実際にはどっちも攻撃属性が同じだったりとかすれば…… |
残念だったな、どうも頭が術属性、胴体が物理属性で攻撃してくるようだ。 | |
うわ、これちょっと対策がないんじゃない? | |
とりあえず何度か戦ってみて、こいつの攻撃パターンを割り出そうか。 |
大体読めた。こいつは次のパターンの繰り返しだ。 |
問題は4〜6ターンめの頭と胴体ね。頭の出してきた攻撃は全部で三種類。 |
胴体の方はこうだったな。 |
単体攻撃は後衛にも飛んでくるけど、列攻撃は前衛のみだったな。 | |
で、これがわかったところでどうにもならねえ気がするんだが。 | |
天地双覇掌対策を取ると、頭と胴体の攻撃が厳しくなるものね。 | |
……俺たちのスキル構成って、ケトス倒した後からあんま変わってないんだよな。 | |
あんたが飯綱とったぐらいね、戦闘に影響があるのは。 | |
今回も思いっきり振り直しが必要になるな。 | |
うーん、仕方ないんじゃない、休養するのは。 | |
で、多分だけどこいつ倒した後にまた休養するハメになる。 | |
へ? なんでそういう結論に? | |
そんだけ尖った対策なんだよ。今はレベル34でもうすぐレベル35だから、35まであげたら休養だ。 | |
レベルはどこまで戻すつもりなんだ? | |
別に多分戻さなくても大丈夫なはずだけど、万全を期すなら元の35だな。 | |
そういえば酒場にクエストの依頼が相当たまってるから、それでレベルあげちゃわない? | |
良いアイディアだなそれ。そんじゃ、酒場に繰り出すか。 |