 | 迫りくる海賊との死闘! |
| 舵取りを一度間違えれば大惨事の海域! |
| それらを乗り越えた先の神秘! |
 | ……よく盛り上がれるなあんた。 |
| なんつーか、この大海原を見てるとだな、俺たちの抱えた悩みなんてちっぽけなものに…… |
 | 思えるかヴォケ! で、ついつい現実逃避して逃げてきちゃったけど、本当にどうするの? |
| ……どうしたらいいんだろうな? |
| おいお前ら、この島なんかスゲーぞ! 巨人像がまるまる地下に埋まってやがる! |
| ……いいよな、こういう単純な野郎は。 |
| あー、まー、お前の言いたいことはわかるぜ。もうちょっと緊張感を持てと。 |
| わかってんならもうちょっとこう、取るべき態度ってもんがあるでしょ! |
| いやなに、俺から見るとお前ら2人共なんつーか、思い詰めすぎなんだよ。 特にプログ、お前あれこれ考えすぎた結果一歩も進めなくなるタイプだろ。 |
| ……。 |
| たまには俺みたいに、感情の赴くままに気楽にやったらどうだ? |
| そんなノリで重大な事を決められるわけないでしょうが! |
| いやだから、そんな重大な事を俺らに振られても困るっつーか、俺ら責任取れなくね? |
| それはその通りというか、前から言ってるとおりあたしたちは一攫千金を夢見てきただけなのに。 |
| ってかお前ら二言目には金金金って、もっとこう、ロマンとかそういうのはねえのか? |
| ねえな。俺らは単に今までの生活に嫌気がさしたというか、そこで生きていけなくなったというか。 |
| 後ろに手が回りそうになったというか、あやうく○○されそうになったというか、ねえ? |
| ……お前ら何しでかしたんだ? |
| まあ、今俺たちの手元にある情報でこれ以上考えても仕方ないっちゃそうだな。 |
| それじゃ、一体どっちにつくべきかわからないじゃない。 |
| ……しばらく航路の開拓に専念して、気分転換しようか。 まだ北の海域がかなり手つかずだから、そっちに行ってみよう。 |
| あそこら辺ってやたら海藻が繁殖してて進めなかったんじゃない? 海藻を避けると海賊を相手にするハメになるし。 |
| いや、それは海藻をぶち抜いて進める装備をもらってるから大丈夫だ。 |
| 何か普通に北上してたらこんなもんが見つかったぜ。 |
| 樹海磁軸に似てるような、似てないような。 |
| とりあえず調査して報告だ。 |
| どうもシェイリンがビンゴだったらしいな。 |
| 前から思ってたけど、やたら博識よねこの人。 |
| ってかどうも昔はかなりのやり手というか手練というか、曲者だったみたいだな。 |
| んー、何にせよ野心に満ちた若者を導く老紳士ってのは、俺の老後のロールモデルなんだぜ。 |
| ……いや、あんたには無理だと思うわ。 |
| だな。もうちょっと落ち着け。 |
| ちょっと待てよ、俺だってそれなりの年になれば、落ち着いた物腰になれるんじゃね? |
| 年にはとり方ってものがあるでしょうが。 |
| それはともかく、これで北の海域にまで足を伸ばせるようになった。 |
| 確か磁軸の近くに2ヶ所ぐらい気になるポイントがあったな。早速行くか。 |
| どっちも磁軸から目と鼻の先だったな。 |
| シバの方は周囲の海流が複雑だが、海藻の上を突っ切っていきゃ問題ねえ。 |
| 何か一気に航路の開拓が進んだんじゃない? |
| それどころか、新しい装備まで手に入ったからな。まだまだ先に進めるぜ? |
| 鉄板装甲だっけか、今度は岩礁を突っ切って進めるようだ。 それでたしか磁軸の北西は海流に、北東は岩礁に阻まれていたはず。 |
| つまり、今度は北東の海域だな。 |
| おい、また磁軸があったぜ。 |
| またか。どうにも見つかるテンポが早いな。 |
| 一体いくつ磁軸があるのかしらね。 |
| 海図を見ると南からやや南東寄りと北東にあるからな。せいぜいあと2ヶ所ぐらいじゃないか? |
| あとはここからどんだけ航路が拓けるかね。 |
| この磁軸の南にはなにもなさそうだったから、西から南西にかけて調べるか。 |
| しかし北海はやたらと岩礁があったり海流が激しかったりで苦労すんな。 |
| シバの話とか聞いてると、大異変の影響がないわけじゃなさそうだ。 |
| 海都だけの問題かと思ったら、この海域全体の問題みたい。 |
| ってか普通に交易が途絶えたら大打撃だからな。 |
| ところで次はどの方角を目指して進もうかねえ。 |
| ここから北の方はまだ手つかずだけど、ここにくるにはフォアマスト外さないとダメだったよな。 |
| おう、そうだった。ってことは北はナシか。じゃ、他のルートで南西に行くか。 |
| 第三拠点からはこのあたりが限界くせえぞ。 |
| 遠くに次の磁軸が見えているけど、あそこまではどうやっても無理だろうな。 |
| あーでも装備が増えればあそこまでいけるかもしんねーな。 |
| 残念でした、今すぐ取り付けは無理だって。 |
| 仕方ないな。あとは大航海クエストだけど、俺たちのレベルならトルトゥーガ島が適正みたいだ。 |
| ってか他の大航海クエスト、やたらレベルが高くねえか? |
| どうもそのようだ。今回は大航海クエストは一個だけだな。 |
| 前にトルトゥーガ島のあたりに海賊船が出るとか言う噂を聞いたけど、こいつか。 |
| こいつなんか全体攻撃使ってくるけど、ちょっと命中率が悪いわね。 他の攻撃に至ってはそもそも全然当たらないし。 |
| ってか威力も大した事ねえしな。こりゃイージーなんじゃね? |
| だといいんだけどよ。 |
| やっぱこういうのがあったか。 |
| 前に戦った海王ケトスを彷彿とさせるわ。 |
| あっちは脚封じや麻痺、眠りだったけど、こいつは脚封じと炎属性への耐性低下だ。 |
| げ、それじゃ攻撃を防ぎきれないじゃねえか。 |
| 封じはともかく、耐性低下は痛いな。回復手段が存在しねえ。 |
| おいおい、それじゃどうすんだこいつ? |
| でも戦ってみた感じ、そこまで強くもないからな。一緒に戦うパーティを変えたらいけそうだ。 |
| となると、二人組で依頼を出している人たちと組むってこと? |
| ま、そうだな。 |
| 作戦はたいして変わらない。こいつは攻撃が頭技ばかりだから頭封じが有効。 脚封じと回避率低下のアレストマインは脚封じで防げるから、それらを狙っていく。 |
| 相方のパーティが弱体化打ち消しと回復をしてくれるから、これは比較的戦いやすいんじゃない? |
| スキル構成によっては他の連中とでもいけるんだろうけどな。 それよかいい加減気がついたけど、どうもボス連中は一度食らわせた状態異常に耐性が付くみたいだ。 |
| おいおい、それじゃ俺たちのスキルの一部はボスに対して使えなくね? |
| まだ試行回数が微妙だから確定的な事は言えないけど、盲目なんかは一回ぐらいしか入らないな。 封じの方も同様で、二回目以降の成功率は格段に落ちるように感じるな。 |
| 一度でも入れば数ターンの猶予ができるのは大きいと思うけど、頼りきるのは危険って事? |
| そういう事だな。どうも搦め手からあれこれやるよりは、正面から殴り合えって事らしい。 |
| こいつはそこまでの強敵じゃないからいいけど、この先が問題だな。 |
| そもそも海王ケトスだって、状態異常で封殺じゃなかったものね。 |
| 俺の肉弾カウンターでダメージを稼いでたようなもんだからな。 |
| ぬー、なんか暗雲たち込めてきたなー。 |
| 何にしろ、これであたしたちにできそうな大航海クエストは終わりでしょ? |
| いや、ダメモトでシバの大航海クエストを受けてみようか。 |
| 取り巻きのモンスターを引き連れての登場とか勘弁して欲しいんだけど。 |
| 何か始まりからして終わってねえか? |
| とりあえずやってみるしかないだろ。 |
| 全体攻撃+睡眠攻撃か。これはまずいな。 |
| 取り巻きは取り巻きで、全体攻撃持ちだからなー。痛いぜ。 |
| ちょっと組む相手を変えてみるか。 |
| どっちにしろダメだったというか、こいつよりによって死ぬときにカウンターで全体混乱をかけてくる。 |
| カミナリオコシを倒しても、オウムガイとかいうのを呼ばれたりするものね。 |
| そっちはそっちで、対処に手間取ると自爆してきたりするからな。 |
| そもそも本体からして、封じと状態異常のオンパレードだからな。かなりの苦戦を強いられるぞ。 |
| ちょっとこれは対策なしじゃ厳しいんじゃない? |
| そうだな。 |
| じゃ、これで大航海クエストは一旦打ち止めか。 |
| ……これ以上現実逃避してるわけにもいかなくなってきたな。 |
| つーか俺のリアルは海にあるんだぜ? |
| 意味わかんねーよあんた。それでだ、今まで俺はどっちに与するべきかで考えていた。 |
| うん。 |
| が、答えなんて出やしねえ。どっちも胡散くせえというか、何か隠していそうだ。 |
| だから迷っていたんじゃないの。 |
| で、モーガンに「感情の赴くままに」とか言われたわけだが。 |
| ちょっと、何か嫌な予感がするんだけど? |
| もういっそ、俺たちの与したい方を選んじまおうか。 |
| 一体何言ってんの? まったくモーガンが余計な事言うから……。 |
| うおおい、俺は悪くねえだろ!? 真に受けたこいつが悪いだろ!? |
| 真に受けられて困るようなことを言うんじゃねー! というか本気なの、プログ? |
| あるいはこう考えよう。仮に騙されたとして、より嫌なのはどっちだ? |
| うわ、なんか後ろ向き……。 |
| ってかすげえ考え方だなおい。 |
| で、二人はどっちに付きたいんだ? |
| ……あんたに任せるわ、もう。 |
| もうこうなったらどっち選んでもろくな目に会いそうもねえからな。俺もそうさせてもらうぜ。 |
| いいのか、お前ら? それじゃ、決めるぞ。俺は…… |