ここもまたダメージ床だ。しかもやたらと開けてるから、マッピングが面倒だな。 | |
え、まさかこのダメージ床全部歩くつもり? | |
できなくもないだろ、火渡りの業あるしさ。 | |
なんていうか、ゲンナリするわ。 | |
几帳面というかなんというか……そんなんじゃモテないぜ? | |
うるせえな、こういう性分なんだよ。 |
おい、戦闘してたらなんかFOEが向かってきたぞ。 | |
ここのFOEは乱入型か。 | |
でも、こいつらも夜には活動停止するみたいね。 | |
そのようだな。まあ、これもわかっちまえば事故の可能性はないか。 | |
そもそも戦闘それ自体、飯綱で瞬殺か逃亡だからな。どんな通り魔だよ、俺たちって。 |
この先の抜け道を開通させれば、探索が楽に……ってあれ? |
ありゃ、こっちじゃねえのか。 | |
なんかダメージ床に囲まれたところを指差してるんだけど……。 | |
どうやら、そこが断罪の間らしいな。 |
どんだけダメージ床に囲まれてんだよ! | |
どっちが断罪されてるのかわかんないわこれじゃ。 | |
この先にフカビトの真祖がいるって話だ。気を引き締めろよ。 |
……いよいよだ。 | |
うう、なんかまた胸騒ぎが。 |
……こいつがフカビトの真祖? | |
どんなとんでもねえ化け物かと思ったら、意外とちんまいじゃねえの。 | |
おい、油断するなよ。どうも様子がおかしいぞ。 |
え? 食事って、あたしたちのこと? | |
おいおいこれヤバいんじゃないの? こいつ殺る気満々だぜ? |
気圧されるな、来るぞ! |
一体何なの、こいつら? | |
おい、どうすんだ? どうも戦うしかなさげだぜ? | |
……二体一組ってことは、役割分担があるはずだ。 それを見極めて、ヤバい方から叩くんだ。 |
これ以外の攻撃もみると、フカビトが物理アタッカー、フカレディが補助と属性アタッカーだ。 | |
たまたま俺が頭封じで防いだけどよ、こいつら連携技を使ってくるぜ? | |
そんなもん喰らったら一溜まりもないな。フカレディ優先で倒すか。 | |
そっちの方は物理防御が薄いみたいだしね。 | |
まずは頭数を減らすのが先決だ。 |
フカレディさえ封じれば、フカビトは単にターンを無駄にすることが多い。 その間に分身からのチェイスセーバーで一気に叩く。 |
この状態になれば勝ったも同然、でしょ? | |
シェイリンとモーガンは一撃じゃやられないから、回復さえ怠らなければまず安全だ。 俺の分身が倒される分にはむしろ肉弾と血返しの法で有利にすらなる。 | |
たまに詐欺臭く感じるぜ、お前らの連携は。 |
でもまさかいきなり襲われるとは思ってなかったわ。 | |
こんな危険な奴なら先に言っておいて欲しかったぜ。 | |
(……俺たちが倒されたら、それはそれで厄介払いってところか) | |
それにしてもこいつ、俺たちをとって食おうとしてやがったんだよな? あの吟遊詩人の野郎から聞かされた話、実は大当たりだったんじゃねえの? | |
そんなことより、こいつ一体どうするの? 流石にこれ以上戦う余力はないわ。 |
(ニエ……生贄か? 一体どういうことだ?) |
んー、とりあえずこいつがとんでもなく危険って事はわかったけどよ。 | |
他の事はまだわからないわね。 | |
それについては深王から話があるんじゃないか? また深王に会えってオランピアが言ってるし。 |
ちょっとまって、「アーモロード最後の王」って言ったわよね? | |
ってことは、確実に百年以上生きてるわけか。 | |
だったら、元老院の婆さんぐらいしわくちゃなはずだけどよ。 | |
……やはりまともな身体じゃなかったのか。 |
そして深都を海に沈め、今なお戦っているというわけか。 | |
……あたしにはもう何がなんだか。 | |
「そもそも世界樹が伝えた」とか、意味不明過ぎるぜ。 | |
とりあえずいくつか質問に答えてくれるみたいだ。 ……まずは海都の最後の王となった事について聞くか。 |
そして一部の兵士とともに、海都の一部を沈め、ここ深都で戦いを続けていると。 | |
いや、その世界樹の言葉ってのがそもそも意味不明なんだがよ。 |
な、何じゃそりゃ。 | |
んーと、これって一応驚かないといけないことよね? | |
まあ、俺たちはどうもまだ話の核心の蚊帳の外が確定したわけだ。 | |
ずいぶん冷静ってか、ノリが悪いぞお前ら。 | |
いや、深都の存在やさっきのフカビトに比べると、そんな驚くほどの事でもないだろ。 | |
あと気になることは、オランピアの事ね。一体何なの、えーと……彼女って。 |
いや、そうじゃなくてだな。 | |
人が悪いな、こんなときにからかったりして。 |
まあ、そんなところか。それと、あくまでも人間として扱ってくれだとよ。 | |
あとは「魔」の存在……フカビトについてまだ聞いてないわ。 |
その辺の話は大体わかってんだよ。俺たちが聞きたいのは…… |
……これだ。 | |
ようやく、海都を遠ざけた理由がわかるのか。 |
だから深都の存在は秘密にしたわけね。 | |
辻褄はあってるんじゃね? ってかそりゃ海都の妨害もするってもんだぜ。 ってことはあれだ、俺たちのやったことって割とお節介だった気がすんな。 | |
そうなのかも。でももう深都の存在は公のものとなってしまった。 だから勇気のある冒険者だけは滞在を許可。うん、確かにこれなら納得……していいの? | |
むー、確かに深都の妨害工作で人死にが出てっからなー。 それでも海都どころか人類が滅びるよかマシだろ? | |
それはそうだけど……。 |
おいおい、面倒ごとに巻き込まれっぱなしじゃね、俺たち? | |
もう一介の冒険者が関わって良い領域を越えてる気がする……。 | |
ま、聞くだけ聞いておくか。 |
それで海都の冒険者に止めてもらおうと、そういうことね。 | |
誰なんだろうなー、その俺たちも知る冒険者って。 | |
こんなところまでやってきて暴れる野郎なんて、クジュラぐらいしかいないだろ。 | |
確かに、他にそんな蛮勇の持ち主なんて心当たりないわね。 | |
……止められるかどうかは別として、奴に会っておいた方が良さそうだ。 |