んー、やっぱり海はいいねえ。 | |
「ここにきて一月は経つし、たまには気分転換しに行こう」というから付いてきてみれば。 | |
しょうがねえだろ、打開策が思いつかないんだから。 それで、プログの野郎はどうしてんだ? | |
一応連れてきたけど、相変わらず考え込んでるの。 | |
しかたのねえ野郎だな。ちょいとこっぴどくやられたぐらいで。 | |
あれで結構な自信家なの。ところで何か前よりも航行可能距離が増えてない? | |
あー、港のおっちゃんの話聞いてなかったのか? 港から北の方の島、あそこで貰った乾燥えんどう豆の効果だよ。 | |
それでこれからどこ行くのよ。 | |
前にアモロスギを欲しがってたじいさんがいたから、そこに届け物だ。 |
ここがアモロスギのある場所だ。一旦港に戻って、そっから届けりゃいい。 | |
あんた、本当に船の上だと生き生きしてるわね。 |
このアモノ羊のチーズで、さらに航行可能距離が伸びたぜ。 | |
なんでそんなに航行可能距離が必要なの? | |
いやー、真っ正面から灯台に向かったら、そのなんだ、船を沈められてよ。 | |
はぁ? それでよく生きてたわね。 | |
でだ、正面がダメなら迂回するしかねえだろうと。 |
もっとも迂回先は海流の関係上、ちょっとでもミスるとこうだ。 | |
何偉そうにいってんのよ、船が傷ついたでしょうが! | |
そう怒るなって。俺みたいにこう、余裕のある心の方が人生エンジョイできるぜ? | |
ほんの一月前には切羽詰まった上に飲んだくれていた分際でよくもまあ……。 | |
しかしあれだ、こういう時にツッコミ入れてこねえあたり、あいつかなり重症だな。 | |
そっとしておくのが一番、なのかな。 | |
……とりあえず正解の航路を見つけたぜ。 |
ひとまず戻るか。 |
報酬もきっちり貰えたし、何よりいいねえ、この都市の復興が肩にかかってる感じ! | |
ところで怪鳥の討伐には向かうの? | |
シェイリンはどうなんだ? | |
その怪鳥は強いんでしょ? ……強敵と戦ってた方が、あいつの気が紛れるかも。 |
その大航海クエストだけど、中の人には一緒にプレイする人が身近にいないの。 そういうわけで、1人で挑んでるんだけど、その場合はNPCが参加するみたい。 | |
3種類ぐらいギルドが並んでて、そっから一つ選ぶ方式だな。 クエストは単に戦うだから、他の要素は全部一緒なんじゃねえかな。 |
それにしてもこのサエーナ鳥、弱いわね。 | |
一応、混乱付加のスキルがあるにはあるがな。 | |
そんなもんすぐに治せるしね。 | |
どうも時期を逸したというか、もっと早く挑んどいた方がよかったかもしんねえ。 |
なんつーか、普通に戦って普通に倒しちまったな。 報酬として三段突きの秘伝書が貰えたし、ギルド固有のお礼の品もあった。 なので俺としちゃあ、御の字なんだけどよー。 | |
ちょっとはプログの気も晴れたかな? | |
……悪かったな二人共。でも、おかげでナルメルを倒す算段が付いた。 | |
ちょっと、いきなり何? 倒す算段がついたって、どういうこと? | |
とりあえずまだ理論段階だ。それに理論の実験にレベルが14まで必要なんだ。 レベル上げたら、B2FのFOEで実験だ。 | |
そういえば、あたしたちはまだFOEにも勝ててないのよね。 | |
FOEに勝てなくてナルメルに勝てるわけないからな。 まずは俺の戦術の正しさを確認しないといけない。 |
おわ、なんだこりゃ。 | |
あんたちょっと分身しすぎ、っていうかこんだけ分身できるものなの? | |
いや、俺もてっきり分身は一回こっきりだと思ってたんだよ。 だけどさっきの大航海クエストで、一緒に来てたシノビが3分身してただろ。 | |
あ、そういえば。 | |
俺たちの敗北の要因は、明らかに手数の少なさだ。だったらそれを補えばいい。 | |
でも分身出すにしてもリスクはあんだろ? | |
HPとTP半減だものね。 | |
だから陽炎で囮を出して、ついでにそれで前衛を埋める。 前衛が埋まってるうちに分身を出せば、それは後衛に配置される。 | |
ああ、それで分身時のHP低下をカバーすんのか。 |
見事に勝利だ。次はB4FのFOE。 |
こいつは全体混乱付与の技がウザいが、大体同じだ。 何より、こいつのドロップアイテムで強い防具ができるのが大きい。 | |
これでナルメルを倒せるわけ? | |
実際にはもうちょっとレベル上げが必要だ。レベルは16ぐらいかな。 | |
あと2か。結構大変だぜ、レベル上げんの。 | |
大航海クエストが時間食わないわりに経験値が多いから、それを活用しよう。 いや、それでも結構面倒だと思うけどよ。 | |
ううん、それでも勝てる見込みがあるならやるしかないでしょ。 | |
悪いないろいろと。それじゃあ、準備が整い次第リベンジマッチだ。 |