新しいフロアに着いたはいいが、何かもう敵が強くていろいろダメくせえ。 | |
ちょっと、なにアンタまでヘタれた事言ってるの? | |
そういうお前はどうなんだよ。 | |
う、確かに厳しいとは思う。 | |
じゃあ何だ、新人でも入れて凌ごうってのか? | |
いや、違う。そもそも今の俺たちの苦境の原因は、資金不足と関わってる。 | |
戦闘をこなせないのとアイテム採集が捗らないのが、その原因だったわけよね。 | |
それ、そのままダイレクトに店のアイテムにも影響するんだよな。 | |
そっか、新しいアイテムをそれなりに売らないと、新しい装備とか開発されないもんね。 | |
それをある程度解消するための手段があるんだけど……モーガン、ちょっといいか? | |
なんだ、俺に何かできることでもあんのか。 | |
というか、現状ではあんたにしか頼めない。 | |
お、いいねぇ。そういう機会を待ってたんだよ。で、何すりゃいいんだ? | |
伐採と採掘と採取を目一杯あげて欲しい。 | |
んー、よく聞こえなかったな。 | |
頼む、アイテム採集スキル3種を取ってくれ。 | |
いやいやそんなバカな、海の男に百姓仕事をさせようなんざ、そんな事が…… | |
いいから取れっつってんだよタコスケ。いいか、まず俺は攻撃スキルを既に取ってるんだ。 | |
俺でなくてもシェイリンがいるじゃねえか。 | |
シェイリンはどうもダガーじゃ火力不足だから、拳マスタリーが最低でも必要だ。 そしてあんたの攻撃スキルはどうもレベルが低いうちは役に立たない。 | |
あーあーわかったよ。そこまで言われちゃ仕方ねえ。 |
というわけで資金繰りの問題は解決。 | |
下手をすると採集中に敵に襲われるけど、そういう時はレア物が手に入るのよね。 | |
んでもって上等な装備はレアな素材が必要ってわけか。 | |
モンスターの方も条件付きのドロップがあるけど、そっちは酒場で情報収集すればわかるものが多い。 | |
でもあたしら条件達成のための必須スキルが足りてないんじゃない? | |
まあ、それは後で考えよう。それよりも椰子の幹からは強力な銃が作れる。 | |
ふーむ、そうすっと俺は銃使いに鞍替えか。といっても、まだどっちのマスタリーも取ってねえが。 | |
あとは夜を待ってB2Fの採取ポイントで一仕事して、そしたらまたB3Fへアタックだ。 |
そのB3FにもFOEがいるんだが、こいつなんかB2Fの奴と違うんじゃね? | |
どうもこいつはFOEの中でも格上の部類っぽいな。 | |
ところでこいつ、あたしたちの後を追いかけてきてない? | |
何とか逃げきれそうだから大丈夫だろ。これがぬかるみとかと絡むとヤバそうだが。 |
あと懸念してた雑魚戦だけど、モーガンの火力が上がったおかげで幾分楽にはなった。 | |
ただ、このノコギリガザミはやたら硬くて苦労するわ。 | |
こいつにも撒菱が有効で、防御力アップしてからも普通にダメージが通る。 最初のターンに毒さえ入れば、あとは防御に徹して衰弱するのを待てる。 | |
あとはトノサマガエルってのがキツいというか、ジャンピングを喰らうと保たないわ。 | |
そっちは影縫いで脚技を封じればどうにかできなくもない。 | |
なんとかなりそうじゃねえか、オイ。 | |
まあな。俺も最初にこのフロアに脚を踏み入れたときは肝が冷えたけどよ。 |
そういやなんだっけ、ムロツミだっけか、人探ししてるギルド。 | |
そんな話もあったわね。そんな奥まで入り込めるとは思わないから、いるとしたらここかな? | |
それってもしかしてこいつの事か? |
誰この子? | |
さあ? なんでもこの扉の先にさっきの追跡してくるFOEがいて、突破できずに困ってるらしい。 | |
それであたしたちに助けを求めてきた、というわけね。 | |
例のシノビはこいつなんじゃね? | |
確かに状況証拠は揃ってるな。 | |
だったらとっとと街に帰そうぜ。 | |
その方がよさそう。流石にここいら一帯を1人で探索するのは感心しないわ。 |
おう、きちんと俺らの後についてこいよ。 | |
ってあなた一体なにしてるわけ? | |
ここまでスタンドプレーするような野郎がハイそうですかと引き下がるわけないだろ。 | |
そりゃそうかもしれないけど。 | |
だったら先に恩を売っておいて、後から街に戻れって言う方が効果的だろ。 |
それでこのFOEだが、川を渡ってくる能力があるらしい。 | |
逃げきるのに苦労してるっていうのは、それが理由なわけね。 | |
それじゃどうやって逃げきるんだ? 普通に歩いていちゃまず無理っぽいぜ。 | |
まあ見てろよ。職業柄、こういうのは得意だ。 |
こうやって壁のまわりを回るようにして動けば、奴さんは普通に後ろをつけてやってくる。 | |
なるほど、川を渡れるといっても直線的にしか追いかけてこないものね。 |
やっぱこいつがアガタだったか。しかし調子のいいガキだ。 | |
で、俺らはどうするよ。戻って報告するかい? | |
まだ余力があるから、もうちょっと探索を進めよう。 |
うーん、どうもおかしいな。 | |
どうしたの、地図とにらめっこして。 | |
いや、俺たちの調べが及んでないところがあるにしても、東側の空白がでかすぎる。 | |
確かに不自然っちゃそうだな。 | |
上の階には開け方のわからない扉があった。 そこの位置と照らし合わせると、不思議と辻褄が合うんだ。 | |
でもまだその開け方がわからないんじゃない。 | |
そうだったな。先を急ぐか。 |