ようやく最下層についたぜ。まったく、途中のデッドリーさ加減に心が折れかけたぞ。 | |
しかしここも相当な難所になる気がしてならないのだが。 | |
あれ以上の難所になったら、ちょっと突破できる自身無いです。 | |
んー、まあとりあえず進んでみっか。 |
って、いきなり死兆星が見えてるんですが、こいつはどういう事でしょうねぇ。 | |
今のところアーマービースト対策って「眠らせる」以外にないですから、クォーソンさんに攻撃が飛んだらそれで終わりですよ。 | |
逃げるにしても、最初のターンに逃げ損なったらそれで終わりか。実にマズい状況だ。 | |
今回はもう助かりそうもないんで諦めるしかないですけど、こっから先が問題ですわな。 |
えーと、結論から言うとどう考えてもこのフロアの雑魚戦を切り抜けるのは無理。 | |
一回二回の戦闘なら切り抜けられなくもないが、連戦となると物資も足りないし運も尽きるだろうからな。 | |
つまりは雑魚との戦闘をなるべく行わないようにすればいいということであろうが、はてさてそのような方法があるのであろうかな。 | |
警戒歩行にも限度がありますからねぇ。 | |
途中の F.O.E. と戦って雑魚戦をスキップするにしても、 F.O.E. の数が足りないですし。それに結構消耗するんですよね。 |
そうそう、攻撃力も防御力も結構なものなんで、こんなのと連戦するわけにはいかんでしょう。 | |
打つ手なし、か。これはレベルを上げるしかないのではないかな? | |
うーん、策はあるっちゃあるぜ。まともな方法かと言われると、全然まともじゃないけどよ。 | |
一応あるのか。一体どういう策だ? | |
B20F の F.O.E. まみれのところで、わざと F.O.E. に突っ込んで即座に逃げて逃げ道を切り開くとかやったじゃん? | |
やりましたねー。何の解決にもならなかったですけど。 | |
今回はそれで解決しそうな気がする。 | |
へ? | |
まあいいや、とりあえずやってみよう。 |
……大体わかりました。 | |
うむ、確かにこのフロアを切り抜けられる方法ではあるが。 | |
三十六計なんとやらですな。 | |
成るほどな、先の F.O.E. が最初のターンに高確率で力溜めを行うことを見越して逃げるわけか。 | |
おうよ、これならサドンデスな途中の戦闘をかなりすっ飛ばしていけるぜ。 | |
しかし何という突破方法だ……。 |
つーわけで、結局ただの一度も雑魚と戦わずに抜け道まできちまったぜ。ちなみに東側のエリアの探索では3回ほど全滅してる。 | |
うーん、凄いけどなんか酷いです、いろいろと。 | |
ぶっちゃけた話、ここを正攻法で突破するのにどんぐらいのレベルがいるんですかねえ。 | |
我々の編成では、平均レベルが 50 後半はないと厳しいだろうな。 | |
少なくとも我輩がアーマービーストの攻撃に耐えられねばならぬだろう。 | |
そりゃ厳しい。となると、やっぱこの方法ぐらいしかなかったんですかね。 | |
まあいいじゃねえか、一応ここまで来れたんだし。あとはこの先、間違いなく待っている長との戦いだけだ。 |
今までの扉とはまた違った仕掛けのようだが、さてどうしたものかな。 | |
もしかしてレンさん達から貰ったあれ、ここの扉を開くのに使うのかも? | |
ってことは、やっぱこの先に長が…… |
ケッ、どうあっても俺たちをこの先に行かせないつもりかよ。 | |
この先に行くには死を覚悟しろと来たもんだ。さて、ここまで来て引き下がるわけには…… | |
当然、行かないだろうな。 | |
長の口からこの世界樹の迷宮の真実を語ってもらわないと、今までやってきたこと全てが無駄になってしまいますから。 | |
我輩もそうだ。わざわざこのギルドに参加した意義がな。 | |
それじゃみんな準備はいいか? | |
一応全員の装備とスキルの確認が必要ではないかな。 | |
おう、そうだな。 |
クィーンズボンデージのブースト値上昇がヤバいぐらい強い。だいたい5ターンも戦えばブーストする。こいつでブーストエクスタシーを叩き込むのが最大の狙いだ。 |
私は基本的に前衛をフロントガードで守るのが仕事だが、十分に封じとステータス補助で脅威を取り去ったらシールドスマイトで攻勢をかけるという方針だな。 |
あたしも大体同じですね。基本は回復スキルでサポートして、チャンスがあったらヘヴィストライク。 |
ってか第3階層辺りからやる事が同じなんですけどねぇ。 |
回復やステータス補助が間に合わないという事態を防ぐために足違えの呪言を取得したが、さてどうなるのだろうな。 | |
全員準備は整ったな。それじゃあ、突入するぞ! |
いにしえのそのまた昔…
今より遥かに高度な文明が存在した。世界のあらゆる謎は人の手で解明され
人は神の存在すら凌駕する
力を手にしていた。それは科学と呼ばれた力。
人はそれを手に、自然を、生命を
世の万物の理を操りはじめた。しかし、その科学は人々の未来に
暗い影を落とした。神の如き力ゆえに、人々は
自分たちの未来に
暗く確実な死神の姿を見たのだ。………。
自らの手による環境の破壊が
自らの立つ大地を汚していた。人がそれに気付いたとき、すでに
時遅く…急激な環境変化の中
何十万もの命が失われた…。そのまま、人は死滅するかと
思われたが諦めず戦うものもいた。大自然の理と人の技術を融合し
大地を再生しようとしたのだ。それは世界樹計画と名付けられた。
古い神話の巨木の如く
汚れはじめた大地を支えるという
意味をこめたつもりだった。あらゆる知恵を集結し
大地を再生させる為の
計画を日夜練り続けた…。しかし、その過程でも
人々は倒れ続けた。研究を続ける男の仲間も…
妻も…、子供も…。それでも男は諦めず
研究を続けていった。そしてついに、大地を再生するために
有効な薬を生みだした。しかし、それを大地にまいて
大地が再び蘇るまでには
何千年という月日がいると解った。汚れた大地を木々がおおい
いやすためには時が必要なのだ。…男は悩み、考えた。
計画立案者として、
研究者の最後の一人として
その結果を見届けたいと思い…。そして男は、世界樹計画の要である
世界樹の力を己の体に組み込んだ。世界樹と共に永遠に生きるため…
人を捨てたのだ。
……ちょっと待て。この世界が一度滅んでいるだって!? | |
ええええええええええ!? それって一体どういう事!? | |
どうしたもこうしたも、これは額面通り受け取らざるを得ぬだろう。この世界はかつて一度滅び、世界樹の力で蘇ったという事であろう。にわかには信じ難い話ではあるがな。 | |
むむ、しかしそれでは長は殆ど神のようなものではないか。 | |
こ、こいつは予想外とかそんなレベルの話じゃないですぜ。 |
って、呆気にとられている暇はねえ、来るぞ! |
フロントガードの上からこれか。これが君や私でなく、他のメンバーであったら命の保証はないな。 | |
だけど返す刀で腕を封じてやったぜ。とりあえず今回も、封じで動きを止めてから一気に反撃という戦術で良さそうだ。 |
しかし執政院の長……いや、世界樹の王は封じ耐性があまりないようであるな。 | |
ああ、これにはちょっと肩透かしな気がしてる。 | |
もっとも封じが遅れた場合、どうなるかはわからんのだがな。 | |
でもまあ、このまま全封じからのエクスタシーで勝てそうな気が……。 |
ぬう、そうもいかぬようだ。「王の誇り」という技で封じを回復するようであるぞ。 | |
どうやら封じ部位が2ヶ所を越えると使ってくるようだ。3ヶ所封じで確実か。 | |
そうなると今回は重苦の呪言があんまり役に立たないのか。あとエクスタシー連発で一気に削るとかも無理だとなると、今回も持久戦になるぜ。 |
このターンに使ってきたのは「サイクロンルーツ」という技だが、聖なる守護の舞曲をかけ、力祓いの呪言をかけ、フロントガードで守ってそれでもこのダメージだ。 | |
ってかクォーソンが防御の上から叩っ殺されちまったぞ。 | |
えーと、あたしはエリアキュアIIをかける必要があるので、蘇生はネクタルIIで行うのが良さげです。 | |
まあ、あっしは一通り補助をかけたら後は手が空きますからね。その辺は任せといてください。 |
うげ、全体補助打ち消しまで使ってくるのか。 | |
振り出しに戻りましたねえ。一応多少のダメージは与えていますけど、それでもこれは、ちょっとねぇ。 | |
この状態では攻撃に耐えきれるという保証がないのだ、なんとか腕封じで攻撃力を落とせなければジリ貧になる。 | |
ったく、面倒くさい野郎だ。 |
さらに 12 ターン経過
ブーストエクスタシーでこんだけのダメージにはなるんだけど、すぐに王の誇りで封じ解除されるのが厳しいぜ。 | |
どうも封じ解除とステータス補助解除で振り出しに戻るパターンになっているな。 | |
その途中で我輩が世界樹の王の攻撃に耐えきれない場面が出てくるのであるが、そのタイミングと力祓いの呪言の切れるタイミングがかち合ってしまうと敗北に思える。 |
ぬがー、かなり戦えたんだけどなー。 | |
一旦冒険者ギルドに戻ろう。作戦の練り直しが必要に思える。 | |
そうだな。それに世界樹の王の事をリクにも伝えとかないといけないし。 |
……というわけだったんだけどよ。 | |
前時代からの生き残りに、この世界の再生装置としての世界樹か。 | |
なんというか、いきなりこんなこと言われても信じられないかもしれないけどよ。何せ一度この世界が滅んでるとか、そんな話だからよ。 | |
いや、それ自体は別にいいんだ。俺たちアルケミストの術式の理論を始め、この世界にはやたらオーパーツが多いからな。むしろ、その時代の遺産で大体説明できそうな気がする。だが問題は……いや、今は長……世界樹の王との戦いに集中しようか。 | |
そうだな。こうなってしまった以上、長は我々を見逃しはしないだろうからな。手始めに先の戦いで判明した世界樹の王の行動をまとめみた。 |
腕封じとステータス補助で守らないと、クォーソンさんがやられてしまうというのが厳しいところでした。 | |
防御していても無駄であったからな。それさえ無ければ勝機はあったのやもしれぬが。 | |
かといってバックガードを取っても、今度は前衛を守りきれなくなる。ジレンマだな。 | |
もっと根本的なところから作戦の練り直し、ですかねえ。 | |
……カタリナ、今装備してるディノブレストをクォーソンに装備させてみてくれ。 | |
了解ですー。それじゃあたしは、ルーンチュニック装備ですねー。 | |
一体どうしたんだよ、装備を交換させたりして。 | |
今回は全体に攻撃が飛ぶようだからな。フロントガードで毎ターン守られる前衛よりも、後衛の方に物理耐性の装備をさせた方がいいんじゃないかと思ったのさ。 | |
言われてみればその通りであるな。これで耐えきれるようであれば、作戦の変更は特に必要なさそうである。 | |
俺の読みが正しければ、これで勝てるはずだよ。それとユーロニモス、わかってると思うけど、実戦での指揮は…… | |
おう、任せとけ。今度は勝って戻ってくるぜ。 |
ビンゴ、腕封じなしの状態でサイクロンルーツに耐えきれたぜ。これでだいぶ方針が見えてきたぞ。多分、こんな感じのプランでいけるはずだ。 |
エクスタシーを撃てるターン=王の誇りで封じが解除されるターンであるから、次のターンの攻撃に備えるわけであるな。 | |
力祓いの呪言の効果時間は5ターン。それだけの余裕があれば、確実に封じに持っていけるな。 | |
あとは息切れさえしなければ勝てるはずだ。息切れさえしなきゃ、なんだけどよ。 | |
エクスタシーを決める前に王の誇りで封じを解除されたりしますから、なかなか思い切ってダメージを与えられないです。 | |
こりゃ、運を天に任せる他ないですねぇ。 | |
ぶっちゃけそうなんだよな。 |
18ターンほど経過
や、やっとここまで追い詰めたぜ。 | |
しかし既に回復アイテムは尽きたし、私にはシールドスマイトを撃てるだけのリソースがないぞ。 | |
でも、このターンにユーロニモスさんがエクスタシーを叩き込んで倒せれば、それで終わりです! | |
わかってるよ。これで最後の一撃となる事を願うぜ、マジで。 |
クソッ、倒しきれなかった! | |
次のターン、王の威厳でターンを無駄にしてくれれば何とかなるんですがねぇ。 | |
インフェルノで回復と即死を喰らうと一気に旗色が悪くなるのであるが…… | |
縁起でもないこと言うなよ。でもどうにか次のターンで決めないとマジでヤバいぜ。 |
最悪だ、このターンで倒しきれないとまず削りきれなくなるぞ! | |
畜生、これで本当に終わってくれ! |
…… | |
ようやく終わったのだな。 | |
本当に厳しい戦いでしたねぇ。 | |
……あたし達のやった事って、やっぱりとんでもないことなんですよね。 | |
確かにそうだが、冒険者達を犠牲にし続けてまで世界樹の秘密を守る価値はあるとも思えない。 | |
そうですよね。でもこの人はずっと一人で……。 | |
「前の時代」がいつ終焉を迎えたのかはわからぬが、おそらく永遠に感じられるほどの孤独を耐えてきたのだろうな。そしてこの時代においても、結局は秘密を一人で抱えて生きていたのであろう。考えてみれば、哀れな男に思えるな。 | |
ま、ようやく休息の時が訪れたってことでさぁ。 | |
しかしさっきから塞ぎ込んで、一体どうしたのだ? | |
ん、ああ。いろいろ思うことがあってよ。さ、街へ戻ろうぜ。 |
この街はこれからが大変だな。いや、そのような事態を招いたのは我々なのだが。 | |
迷宮に残る謎なんてもう殆どないでしょうし、そうなるとこの先どうなっちゃうんだろ。 | |
んー、でもまあ、この兄ちゃんも全ての謎を解き明かしてくれって言ってますし、まずはできることから始めましょうや。 | |
その通りであるな。まだまだやれることは残っているのだ。 |
エトリア最高の冒険者になった証、か。 | |
なんだ、あまり嬉しくなさそうだな。 | |
いやなんつーか、どこかすっきりしないんだよな。俺たちは確かに世界樹の迷宮の最深部に到達して、そこでこれまで冒険者を葬ってきた世界樹の王を倒して、それで……この世界の何が変わったのかなって思ってよ。 | |
なんからしくないですよー。気持ちはその、わからなくもないんですけど。 | |
しばらく休息を取ったらどうでしょうかねぇ。 | |
あ、賛成ですー。いろいろありすぎて心も体もクタクタです。 | |
そうだな、本当にいろいろありすぎたよ。 |