なんだこりゃ? | |
えーと、私たち樹海の中にいましたよね? そりゃ今までだって無茶苦茶な環境でしたけど、これはさっぱり意味がわかりません。 | |
見たところ何かの建造物のようだが、それがなぜ樹海の中にあるのだろうな。 | |
しょうがねえ、あいつに聞いてみるか。 |
……というわけなんだけど、お前何か心当たりとかない? | |
あるわけないだろ、常識的に考え……いや、お前に常識を求めるのは間違ってるよな。 | |
なんかさり気なくヒデェ事言われた気がするけど、まあいいや。そっか、お前でもわからねえか。いや、前に「この樹海は誰かが作ったのかも」とか言ってたから、何か知ってるかもって思ってよ。 | |
ああ、そういえばそんな事も言ったな。だけど今はちょっと状況が変わってきたようだ。 | |
? | |
俺は今まで「樹海の中に奇妙な迷宮がある」と考えていたんだけど、もしかしたらこの奇妙な建造物がまずあって、それがいつしか草木に覆われて樹海になったのかもしれない。 | |
ふむ。そういう見方もできるか。いや、そう考えた方が自然かもしれない。 | |
ところで新しい階層の探索メンバーはどうするのだ? 先程の階層は我輩が参加したが、この階層をどうするかはまだ決めていないはずであるが。 | |
ひとまず続投をお願いするよ。俺の力が必要だと思ったら、その時に交代すれば良い。 | |
それじゃ、探索に戻ろうか。 |
しかしこの階層からまた敵が強くなったなー。フロントガードやステータス補助なしじゃ耐えきれないぜ。 | |
最初のターンを凌げれば、相変わらずその後は楽になるのだがな。 | |
言い換えれば、凌ぎきれない場合は死兆星が見えるということであろう。 | |
今のところはどうにかなってますからいいじゃ……あれ、あの人たちってもしかして? |
間違いない、レンとツスクルだな。だが今までのように我々のサポートにやってきたわけではないように見えるな。 | |
おう、殺る気満々のオーラを放ってるぜ。……ってもしかしてレン姉たちと戦うのか? | |
ちょっと待ってください、まだ戦うって決まったわけじゃないですよ! | |
あの二人、確か長の直属の配下でしょう? それで長は理由が何なのかさっぱり不明ですがあっしらを抹殺しようとしてるわけで、それであっしらを倒せる実力者となると、もう他にいるはずもないでしょうや。 | |
とりあえず行ってみよう。俺たちの思い過ごしであって欲しいけどよ。 |
確かに樹海に惹かれてやってきた冒険者で街は賑わってますけど、だからってこんな! | |
果たしてそこまでやる必要があるのか、確かにちょいと疑問ですけどねぇ。それでもあちらさんはこう言ってるわけで、別にこの期に及んで嘘つくわけもねえでしょうし。 | |
おい、迷ってる暇は無いぞ。もうあっちは戦闘準備が整ってる状態だ! |
流石に手強いってか、かなりやべえ。まずレン姉の「首打ち・改」がとんでもない即死率だ。 | |
フロントガードでは即死は防げないからな。どうにも対抗手段がない。 | |
ツスクルの方は我輩と同様に封じと弱体化をかけてくるが、どうもあちらの方が一枚上手のようだ。封じ効果が全体のうえ、状態異常を付加するスキルも持っている。直接攻撃はないようであるが、こちらも放っておくことはできぬな。 | |
なんか勝てそうに無くないですか? | |
うーん、何回か試行錯誤してみるっきゃねえな。 |
とりあえず封じが効くには効くんだけど、腕封じしても「踏み袈裟・改」が飛んできて、こっちはこっちでそれなりのダメージだ。そこでカタリナが頭封じとか喰らってると回復が間に合わずに死ねる。 | |
それはテリアカαを大量に持っていって、先読み気味に使っていくしかないだろう。手数が減る分のリスクはあるが。 | |
一応、ツスクルちゃんは頭封じで完全に無力化できるっぽいんですけどねえ。 |
ここまで追い詰めても禍神の呪言で全体に呪いやら混乱やらと付けられて、さらに首打ち・改や抜刀氷雪・改で倒されて全滅とか普通にあるからな。 | |
未だに突破口は見えぬか。 | |
うーむ、これは今のところ打つ手なしか? | |
しょうがねえ、一旦戻るぞ。 |
……それでのこのこと戻ってきたわけか。 | |
うん、まあ、そういう事だ。お前なら何か作戦を思いつけるんじゃないかなーって思って。 | |
いや、まずはお前らの今までの戦い方を詳しく説明してくれよ。 | |
えーと、大体こんな方針でやってた。 |
割と理に適った戦い方に思えるが、どうだろう。 | |
これでいいところまで追い詰めはしたんですけどねえ。 | |
……三番目がダウト。倒す順番が逆だ。 | |
えー? ダメージ源はレン姉だけだぜ? | |
今までの戦いの記録からすると、どう考えても真にヤバいのはツスクルの方だ。肝心なところで封じや状態異常で戦線崩壊というのが、最大の負けパターンだろう。それに即死級のダメージはいずれも単体攻撃なのだから、いくらでもリカバリできるだろ。それよりも全体に影響力のあるツスクルをなんとかするべきだ。 | |
言われてみれば、確かにそうであるな。 | |
ここまで言えばもうどうすればいいかわかるだろ。 | |
お、おう。それじゃリベンジマッチと行くか。 |
手順としてはこんな感じか。 |
こっから先はツスクルちゃんの方を一気に攻撃、でオーケーなはず。 | |
レンさんが封じから復帰する前に倒しきらないと、確実にマズいっぽいです。ここはノーガードで一気に畳み掛けた方が良さそうです。 | |
弱体化した通常攻撃だけであれば、回復を毎ターン行う必要もないだろうしな。 |
ここまでは予定通りであるな。ここからレンの攻撃で一気に全滅するリスクはそれ程でもなかろう。 | |
それでも腕封じが決まる前に踏み袈裟・改で相当なダメージになるので、ライフ回復用のアイテムが必要な場面も出てくるな。 | |
おかげで殆ど俺とアポロだけで攻撃するハメになってるから、異様に時間がかかるぜ。 | |
火属性を付与して攻撃すると結構なダメージになるんで、それで多少は楽になってはいますけどねぇ。 |
というわけで、やたら消耗したけどようやくここまで追い詰めた。 | |
我々に次のターン以降を戦う余力は残っていないのだ、頼むぞ。 | |
おうよ。レン姉、頼むからこれで倒れてくれ! |
総力戦はいつもの事だけど、今回はマジでヤバかった。封じの決まるタイミングが悪かったら、リクの作戦でも負ける可能性があったしよ。 | |
流石に長の直属の配下だけはある、ということか。 |
冒険者の命を奪ってでも守らないといけない樹海の秘密かあ……本当に大変な事になっちゃった。 | |
まったくですねえ。最初は楽しく冒険者稼業ができればいいやと思ってたんですが。ところで、退屈凌ぎに依頼を受けてきたクォーソン先生はこの状況をどう見ますかねえ。 | |
流石にこの街の長と事を構えることになるとは思いもしなんだが、ここまで来たら仕方あるまい、最後まで付き合うことにしよう。なにより世界樹の迷宮の真実とやらをこの目で確かめたいのだ。 | |
そうですね、そのために今まで厳しい戦いをくぐり抜けてきたんですから…… |
何かよくわかんねー金属片をもらったけど、一体なんだこれは? | |
さっぱりわからんな。まあ、大方この階層の最深部にたどり着くために必要なものだろう。 | |
まあ、他にこんなもんをくれる理由もないよな。見たところ二人とも命に別状はないようだし、先に進むことにしようぜ。 |
それにしても不思議な階層だな。これは何かの装置に見えるが、それが何なのかまったくもって意味不明だ。 | |
リクの奴もこの階層については完全にお手上げ状態だしなー。 | |
探索を進めていくうちにわかればいいんですけど、どうも今回は何もわかりそうに無いですねー。 | |
まずどう考えてもここは人工的に作られた建造物だからな。その設計者に話を聞かねば何もわからないだろうが、そのような者が存命だとは思えない。 | |
そこら辺全部含めて、長が知ってるって線はあるかもな。あとこのフロアって磁軸のある建物と東の建物の2ヶ所に次のフロアへの階段があるんだけど、どっちを先に片付ける? | |
常識的に考えれば、遠い方が正解のルートですよねえ。 | |
よし、俺は非常識なので近い方から行くことにするぜ。 | |
自分で言う言葉なのかそれは。 |
行き止まりですねー。って何の意味があるんですかこれは。 | |
うーん、いわゆるトマソンって奴のかな。それとも何かの理由で通行止めにされたか…… | |
ん? 何か壁に紙切れが張り付いているな。 |
……何だこれ? | |
一応内容はメモしておいたが、現時点では何とも言えないな。 | |
掠れて読めない部分がありますけど、「ユグド……」ってなってるところは「ユグドラシル=世界樹」の事じゃないですか? | |
ってことは、この樹海についての情報が他にも残っているかもしれないってことですかねぇ。 | |
んー、これ一枚だけじゃさっぱりだな。とりあえず他のフロアでも、似たようなのが無いか探した方が良さそうだな。 |
ユーロニモス | レベル44 |
ヨハン | レベル42 |
カタリナ | レベル42 |
アポロ | レベル44 |
クォーソン | レベル38 |