(冗談抜きに俺の戦闘力の相対的な低下はマズい。もう少し誤魔化せるかと思っていたが) | |
ったく、お前にそうやって悩まれるとこっちが困るんだって。 | |
お前はもう少し悩めよ、まったく。 | |
本当、こんなミッションを引き受けたっていうのに、良くそこまで能天気で……あれ、あの子もしかして!? |
あの時のモリビトか。どうやらまた俺達に警告しにきたようだな。 | |
執政院の依頼を額面通り解釈するなら、この子も殲滅の対象なのだが。 | |
うう、そうでした。どうしよう……。 | |
いや、見たところ非戦闘員のようだから、別に戦う必要もないだろう。戦闘員だけを倒して人間がモリビトに襲われる可能性を排除すれば、根本的な要件は満たせる。 | |
それで執政院の人達が納得してくれれば、ちょっとだけですけどマシな状態になるのかな……。 | |
とりあえずこの子の言い分を聞こうぜ。もしかしたら、この状況がひっくり返るかもしんないし。 |
「人とモリビトの間の協定」だと!? そんな物があったのか!? | |
ええええええ、それじゃ、あたし達のやってることって明らかに侵略行為じゃないですか! | |
おいおい、雲行きが余計に怪しくなってきましたぜ。 | |
協定か……まるで心当たりが無いが、一体どういうことなんだ? |
あたし達のご先祖さまとの間にそんなことがあったなんて……。 | |
これは長の誤りが確定したな。ここはミッションの取り下げを嘆願するのが妥当だ。 | |
流石にこういう事なら、あの長も正気に戻ってくれそうですねぇ。 | |
……そう上手く行くかな。 | |
えー、それってどういう事ですか? | |
彼女の言うことが真実だとして、その協定についての資料が残っていないのは不自然じゃないか? こんな大事な協定だというのに。 | |
言いたいことはわかる。が、だとすると彼女が嘘を言っているということにならないか? | |
そ、それはいくらなんでも酷いんじゃないですか!? いくらリクさんでも、そんな事を言い出すなんて! | |
待てよ、俺が言いたいのはそういう事じゃない。そもそも協定以前にモリビトについての資料が何一つ残っておらず、民間伝承のような形ですら伝えられていないというのは余りに不自然だってことだよ。 | |
……リク、お前一体何を考えてるんだ? | |
憶測でしかないが……俺達の歴史からモリビトの存在が人為的に葬られている可能性はあるんじゃないのかな。 | |
バカな、一体何のためにそんなことをする必要があるのだ? | |
あまりに荒唐無稽じゃないですかね、それは。 | |
……一旦執政院に戻ろう、何かがわかるかもしれない。 |
確かに世界樹の迷宮には何かがあるとは思うのだが、それがモリビトとの協定に関することだとして、果たして長は自分の正当性を保てるのかな? | |
うーん、このままじゃ下手をすると弾劾ものですよ、これ。 | |
長はこの街の重要人物ですけど、だからといって今回のこれはねぇ。 | |
……その長から話があるようだ。 |
あくまでも戦え、ってか。 | |
そんな、ろくに話もせずに戦うなんて! | |
何故ここまで強硬な態度に出るのか、私にはさっぱり理解できない。本当、一体どうしたというのだ? | |
……先に進もう、俺達の目で真贋を見極める必要がある。 |
何かこのフロアは単に一方通行の抜け道が多いだけだった。 | |
だが同時に出現する敵の数が多く、判断を誤ると戦闘不能者が出かねんな。 | |
そもそも電撃の術式一発で倒しきれない敵がゴロゴロ出てきているんだ、これからの雑魚戦はより厳しいことになるだろうな。 | |
うーん、何かいい解決策はないでいんでしょうか。 | |
あるにはあるよ。本当にやるかどうか、まだちょっと迷ってるけど。 | |
おいおい、お前が躊躇するって一体何をやろうとしてるんだよ。まあいいや、次行こうぜ、次。 |
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