今度は何かずいぶん開けたところに出たな。 | |
B2F は狭苦しかったですからねー。余計にそう感じますー。 | |
しかしさっきから妙な気配を感じるのだが、気のせいか? | |
いや、気のせいじゃなさそうだ。 |
……こいつはヤバいな。 | |
流石にこのレベルならお前もわかるか。 | |
いえねぇ、ヤバいってのはわかるんですけどねぇ。あちらさん、猛り狂ってるじゃねえですかい。 | |
わわ、本当ですー。どうしましょう? | |
いつまでもジッと待っていても始まらないんだ、とりあえず行くぞ。 |
ありゃ? 止まっちまいましたぜ。 | |
どうも俺達が三歩動くごとに一回休むようだな。 | |
それならこのまま歩きつづければ、確実に逃れられるのか。 | |
そうだなー。あとは途中のエンカウントだけど…… |
何気にヤバいぞ。この中央のマンドレイクとかいう奴、リクの術式が大して効かないぜ。 | |
どうやら雷はこいつに有効な属性ではないらしいな。そのうち別属性の術式もとるか。 | |
こちらの防御力を下げてくる技も使ってくるんですよねー。こっちもちょっと厄介かもですー。 |
……というわけで最初のブロックは突破できたが、さて次はどうなるかな。 | |
とか何とか言ってるうちにお次が見えてきたぜ。 |
先ほどと違ってこちらに向かってくる様子はないが、これはどうするべきかな。 | |
仕方がない、適当にうろつき回ってみるか。何かがトリガーになって移動を始めるはずだ。 |
うおっと、危うく戦闘突入でしたぜ。 | |
そうか、こいつは同一直線上に侵入すると反応するのか。 | |
ということは、こいつと同じラインに立たなければ問題ないということかな。 | |
恐らくそうだろう。このまま下がって誘き寄せて、それからやり過ごしてしまおう。 |
ん? 俺達の同業者か? | |
それにしては見慣れねー格好だぜ。一体…… |
うげ、先に言われちまった。 | |
何者も何も、私たちも冒険者なのだが。 | |
うーん、私こういうピリピリした人は苦手ですー。 | |
いやこういう気の強いタイプもそれはそれでそそるものが。 | |
……まったく。というわけで俺達も冒険者なのだが、さてあなた方は一体? |
さて俺は何も知らないのだが、みんな何か聞いてないか。 | |
いや、私も特には聞いていない。 | |
あたしもですねー。 | |
同じく。 | |
ユーロニモスが何か聞いているはずもないしな。 | |
相変わらずキツい野郎だぜ。まあ、その通りだけどよ。 |
執政院の命令か、やはりそんな話は聞いていない。これは連絡の不備でもあったか? | |
それにしてもブシドーにカースメーカーって、確か俺達がスカウトをしてたときには見当たらなかったよな? | |
私も見た覚えがないな。見慣れない格好なのも当たり前か。 | |
さて、どうやら一旦街まで戻る必要があるようだ。 |
先に言えやこの野郎! | |
まあまあ、人間誰しもミスの一つや二つはするものですしー。 | |
一応先の二人を派遣してまずい事態を防ごうとはしていたようだしな。 | |
おい、どうやら執政院から新たにミッションが発動されたぞ。 |
何でも「スノードリフト」とかいうモンスターがオオカミを操って冒険者を襲っているらしく、そいつを討伐するのがこのミッションの目的らしい。 | |
うーん、だったらさっきの二人が倒しちまえば良くね? あの二人、どっちも相当な手練に見えたぜ。 | |
それでは後進の育成に差し障りがあるので、彼女達はあくまでもサポートに徹するという話だ。 | |
ふむ、意外と長期的な視点で命令を出しているのかな。 | |
でもサポートってことは、やっぱりあたし達でその「スノードリフト」を倒さないとダメなんですよね。 | |
ありゃ、ビビってるんですかい? まあぶっちゃけあっしも不安ではごぜえますが。 | |
俺達にゃリクの戦術があるんだ、どうにかなるって。 | |
それよりも俺達はまだ B3F の探索も終えていないんだ。まずはそちらから片付けよう。 |
ところで今の私たちは諸事情により赤貧状態で、宿に泊まることもできないわけです。さてどうしましょうかー? | |
あれ、そんなにヤバい状態だっけ? | |
君が調子にのって F.O.E. と余計に戦ったのが効いているのだが。 | |
うっ、確かにそうかも……。みんなゴメン。 | |
過ぎちまったこたぁいいとしてですね、宿に泊まれなかったら体力の回復ができないって事ですぜ。 | |
一旦装備をいくらか売り払うか? 一晩分の代金はすぐに捻出できるはずだ。 | |
……あまり使いたい手段ではないが、あれを使うか。 |
夜間のみだが、ここで全員の TP を回復できる。 | |
な、何かちょっと敗北した気分。 | |
人間、貧乏にばかりは勝てませんって。 | |
そうですけどー、やっぱりちゃんとした宿に泊まりたいです……。 | |
俺は野宿とか全然平気なんだけどなー。 | |
……それは君だけの話ではないか? | |
ところでカタリナ、そろそろエリアキュアが取得できるはずだから取っておいてくれ。流石に一人一人キュアを使っていたら効率が悪くて仕方がない。 | |
了解ですー。それじゃ皆さんの回復もできたことですし、そろそろ行きましょうかー。 |
そういえばこのマンドレイクのドロップアイテムだが、いつまで経っても3番目のものを落とさないな。 | |
うーん、よっぽどクジ運が悪いんですかね? | |
そのことについてだが、ちょっと興味深い話がある。シンリンチョウや毒吹きアゲハの3番目のドロップの複眼だが、あれを落とすのはどうも俺が術式で倒したときだけらしい。 | |
あれー、そうでしたっけ? 全然その辺は注意していなかったですー。 | |
ってことは、もしかしてこのマンドレイクも? | |
そういうことだ。雷の術式で倒してもダメだったが、今度は火の術式を使ってみようと思う。俺の読みが正しければ……。 |
やはりな。どうやら、モンスターのドロップリストの3番目は特定条件でのみドロップするらしい。 | |
でも前に術式使っても複眼が取れなかったときがあったよな? | |
いや、それは何十回と試行した内の1〜2回だろう? それは単なる誤差で済む話だ。 | |
それじゃ、3番目のドロップアイテム持ちは特別な方法で倒さないとダメってことですか。 | |
何だか面倒そうな話だな。もっとも今回の事例を見る限りでは、弱点を突いていけば条件を満たせることが期待できそうだが。 | |
恐らくはその方向性で間違いないと思う。あるいは今回のように植物→火→木炭など因果関係が類推できれば簡単だ。それじゃ、先を急ごうか。 |
うーん、北と南のどっちに行くかなあ。 | |
ここは北だろうな。 A3からC4 にまたがるブロックを探索している内に抜け道を見つけたからな、まずはそいつを開通させよう。街と樹海を何度も行き来することになる以上、ショートカットを作っておくのは最優先課題だ。 | |
そういえば、この階の最初の大広間にも抜け道がありましたよねー。 | |
そうだったな、そっちも見つけられれば開通させておくか。 |
結局見つかった抜け道は一ヶ所だけか。最初の広間のあれは何だったんだ? | |
南の方の通路に通じてたりすんですかねぇ。 | |
似たような用途の抜け道がいくつも作られるというのは考えにくい。まったく別のものだと思うが、私にはまだわからないな。 | |
そういえば B1F にも開通不能な抜け道があったな。閉ざされた扉の存在も考えると、何かしらの仕掛けがあると思っていいだろうな。 | |
じゃあ、あとは B4F への階段への道を探すだけですねー。 |
一体何だ!? | |
あ、あそこで兵士の方が狼に襲われています! 早く助けないと! | |
待て、今の俺達にこれ以上戦う気力は残っていないぞ。 | |
でも! | |
確かに今の我々に余力はないが、それでも見捨てるわけには行かないんじゃないか? | |
あーもー、ゴチャゴチャ言わずに助けりゃいいんだよ! 俺は行くぞ! | |
チッ、やるしかないか……いや、やっぱり待て! | |
!? |
確かツスクルと名乗っていた子だな。 | |
助けにきてくれた……んですよね? | |
どうやらそのようだが、彼女一人に戦わせるわけには…… |
一体何が起こったんですかい!? | |
うげ、この子ヤバいぐらい強いぜ。俺達の比じゃねえ。 | |
しかし一体どうすればこのようなことができるのだろうな? | |
……呪言、か。 | |
何だ、知っているのか? | |
いや、たいして詳しくはない。それどころか初めてお目にかかる代物だ。何にせよ俺の錬金術とは根本的に違う技術体系のようだな。 | |
とにかく、これでさっきの兵士さんは助かりますね! |
我々の回復までしてくれるとは有難い、いずれ恩を返さねばなるまい。 | |
どうやら今回の件が終わるまではここで回復をしてくれるようだ。しばらくは彼女の世話になることになりそうだな。 | |
それじゃ、早速 B4F に行きましょうか。さっきみたいな危ないモンスターが蔓延っていたら危険極まりないですよ。 | |
おうやる気満々じゃねえですかい。やっぱメディックとしちゃ、ああやって怪我人を見せつけられちゃ黙っていられないとか? | |
当たり前ですよー。 |
やはり南東の巨大な空白が気になるが、 B3F はこんなものか。 | |
結局ここも行けるところは一通り探索しちゃいましたね。あたしとしては早く今回の一件を解決したいんですが。 | |
レンとツスクルの二人が動員されている以上、さっきのような事態が起こるのは稀だろう。それよりも俺は執政院の手駒の兵士の質が不安だよ。 | |
……リクさんって本当になんかこう、達観してるというかなんというか。 | |
まーまー、こいつが妙に冷静なのは昔っからだよ。本当に可愛くない野郎だぜ、なぁ? | |
別に可愛く見られたいわけじゃないしな。それじゃあ、狼どもの巣窟に乗り込むぞ。 |
ユーロニモス | レベル9 |
リク | レベル9 |
ヨハン | レベル9 |
カタリナ | レベル9 |
アポロ | レベル9 |