さっきも言ったけど、恐らくここからが樹海探索の本番だ。油断するなよ、ユーロニモス。 | |
おい、俺だけかよ! | |
まあとにかく気合入れて行きましょうや。 |
早速あの毒吹きアゲハが出てきました。 | |
いや、2匹までなら問題ない。俺の術式で一匹、他のメンバーの攻撃で一匹、これで終了だ。むしろ通常攻撃の頻度が少ない分カモだと言ってもいい。 | |
言われてみればその通り。一気に殲滅できれば、毒は大して怖いステータス異常じゃありやせんね。 | |
問題は他の敵と混合編成で出てきた時だが、これはケースバイケースか。 | |
ま、それその時になってから考えようぜ。それよか先に……何だ? |
こいつが F.O.E. か。なるほど、他の雑魚とは扱いが違うな。 | |
それってつまり、物凄く強い敵ってことですよね? | |
へっ、そんなのやってみなけりゃわかんねーだろ。 | |
いやでも旦那、流石にそれは無理筋って奴だと思いますぜ。 | |
ふむ、私はあまり勝機のない戦いに身を投じたくはないのでな。リクの意見はどうだ? | |
他の雑魚と一通り戦ってからだな。最悪ケースとして雑魚の攻撃力の倍がけを見積もって準備すれば、何かしらのデータが取れる程度にはなるだろう。 | |
んー、お前が言うなら間違いなさそうだな。 | |
それじゃ、 F.O.E. は何とか避けて通るということですねー。 | |
戦わざるを得ないような場合はどうしやしょうかねえ。 F.O.E. を避けたと思ったら袋小路に追い詰められたとか。 | |
そんときゃしょうがねーから…… | |
アリアドネの糸だ。無駄な戦いは避けるのが懸命だろう、な? | |
ちっ、相変わらず可愛くねー。 |
意外とあっけなく抜けられやしたね。 | |
幸い、直線上を行ったり来たりしているだけだったからな。 | |
もっと複雑なパターンだったりしたら、ちょっと抜けられるかどうか不安ですー。 | |
それよりも気がついたか、奴等は俺達が戦っている間にも移動していた。 | |
そういやそうだな。ってことは何か、下手をすると雑魚との戦闘に乱入されるとか? | |
あまりそういう事態にはなりたくないが、いざという時の事は考えておくか。 |
うがー、何じゃこいつの攻撃力は? | |
ほとんど全体力を一撃か! これは防御をしてもらうか、私がフロントガードせねばならんようだ。 | |
ケチらずに術式を使った方が良かった気がしますー。 | |
いや、データ取りが目的だったからこれでいい。万が一その前に倒してしまっては意味がないからな。そして雑魚ですらこれなら、 F.O.E. は輪をかけて攻撃力が高いと思っていいだろう。 | |
データ取りって、ユーロニモスの旦那の事が心配じゃないんで? | |
こいつの神経の太さとしぶとさは俺が保証するから大丈夫だ。それに一辺痛い目に会わないと、いつ無計画に F.O.E. に殴りかかるかわからないしな。 | |
好き放題言いやがってこの野郎……。 | |
ちょうどさっき宝箱でアリアドネの糸を見つけた事だし、一旦こいつを治療しに戻るか。 |
私がフロントガードを使ってもこれだけのダメージになるな。 | |
フロントガードは一回までしか庇えない以上、他の雑魚との兼ね合いもあってあまり依存できないだろう。 | |
ってかテメー、術式一発でこいつ倒せるじゃねえかよ! | |
そうだな。前衛二人がガードして、フィンドホーンを俺が倒すのが正解のようだ。せいぜい俺の壁になってくれよ、ユーロニモス。 | |
がー、確かにそれが正解ってのはわかるんだけどよー。俺、アタッカーだよな? | |
まあまあ、とりあえず先に進みましょうよ。 |
やべ、近づきすぎたか? | |
目測を見誤ったか。まあ、このまま退けば問題ないはずではないかな。 |
……ありゃ? | |
あの、なんか追いかけられているように見えるんですけど、あたしの目の錯覚でしょうか? | |
いやー流石にあんなのに追いかけられたりしたらたまったもんじゃ…… |
明らかに追いかけてきているな。 | |
いや、このまま逃げつづければ何とかならねー? | |
エネミーアピアランスを見ろ、もうそろそろレッドゾーンだ。潔くアリアドネの糸で戻ろう。 | |
心臓に悪いですよ、 F.O.E. が追いかけてくるなんて。 | |
こいつは糸を買い忘れたら全滅にオープンリーチですぜ。 |
うーん、 B2F はこんなものでしょうかー? | |
残りの場所は F.O.E. と一戦交えないと進めないぜ。どうするよ? | |
そいつぁちと厳しいんじゃありやせんかね。 | |
俺としては一辺も戦わないでやり過ごすのは嫌なんだけどなー。 | |
でも命あっての物種ともいいますぜ。 | |
……ここは一戦交えてみるのも悪くないか。 | |
!? 私は賛同しかねるな。それにだ、そもそも F.O.E. の危険性について一番敏感だったのは君のはずだが? | |
いや、徹底的にやり合うわけじゃないよ。一人でも倒れたら撤退だ。それまでに勝機が見えなければ終わり、 B3F に進むことにする。ところで全員まだスキルポイントは残っているな? これから俺の指示どおりにスキルを割り振ってもらう。 | |
了解。 | |
うーん、大丈夫ですかねぇ。 | |
まったくの無策とは思わないが、しかし……。 | |
あー俺が言うのもなんだけどよ、こいつの作戦には乗ってみる価値があるぜ? | |
ま、いっちょリクの兄さんの作戦に乗ってみますかい。 |
現状はヨハンを除いて全員レベル7か。ヨハンはフロントガードをレベル5まで、アポロは聖なる守護の舞曲をレベル5までそれぞれ取得してもらいたい。 | |
守りを固めて挑むわけか。ところで攻撃役の君とユーロニモスはどうするつもりだ? | |
俺は雷の術式をレベル4までだな。それ以上は TP の燃費が悪くなりそうだ。 | |
で、俺は? 既にヘッドボンデージを取っちゃってるんだけど、こいつを伸ばせばいいのか? | |
まずはその方針でいいだろうな。 | |
あのー、あたしはどうすればいいのでしょーかー? | |
キュアを TP 消費量が許容範囲になる程度に上げれば良いよ。 | |
これで準備は OK だよな? それじゃ F.O.E. に…… | |
待て。俺が指示を出すまでちょっと F.O.E. の近辺で様子を伺うんだ。 | |
ありゃ、まだ何かあるんで? | |
まあ、ちょっと試したいことがな…… | |
(一体何を考えているんだ?) |
よし、今だ。 | |
今ってその、エネミーアピアランスがレッドゾーンなんですが? | |
どういう事なのか説明してくれないか。私は意図を計りかねるな。 | |
悪いが説明はあとだ。さて、俺の計算が正しければそろそろだ。 |
あちゃー、やっぱりエンカウントしちまいやしたぜ。 | |
いや、これでいいんだ。いいかみんな、全力で逃げるぞ。 | |
目の前に F.O.E. がいるんですから、言われなくても逃げたいですよー。 | |
(わからん、この男の考えることがわからん) | |
ま、ここはリクの言う通り逃げとこうぜ。 |
あれ? 目の前に F.O.E. が……どうして? | |
確かに普段なら奴と我々の距離は常に1マスは開いているはずだ。 | |
気がつかなかったか? 俺達が戦闘を1ターンで終わらせた場合、 F.O.E. どもは移動せずにその場に留まっているんだ。そして後ろから攻撃を仕掛けたらどうなるか、何となく予想できないか? | |
ったく、お前らしいやり方だぜ。 |
ビンゴ、俺の読み通りだ。さあ攻撃開始だ。 | |
俺はヘッドボンデージだな。レベル5だと四回しか使えないから、それまでに倒せることを祈るぜ。 | |
私は普通に攻撃するしかないな。 | |
あっしはさっき取得した聖なる守護の舞曲ですかね。 | |
あたしも一応殴っておきますねー。 | |
(さて、今の俺達でどれだけこいつの HP を削れるかが問題だが……) |
よっしゃ、いきなり封じ成功! ……っつってもどういう効果があるのかよくわかんねーけどよ。 | |
奴に頭を使う技があれば封印できる。実際俺もシンリンチョウに頭を封じられて術式が使えなかったことがある。 | |
それよりもリクさんの雷の術式がすごいダメージですー。これは 70 台は固いですよ。 | |
このターンに与えたダメージはおおよそ 30% 弱といったところか。あと 4 ターン持てば倒せるようだが。 | |
ヨハンは今後はフロントガードで前衛を守ってくれ。カタリナとアポロはとりあえず防御だ。 |
ううっ、防御の上からでも半分近く持っていかれますー。アポロさんの補助がなかったら確実に2発で撃沈ですね。 | |
あっしは今後は聖なる守護の舞曲を伸ばした方が良さそうな感じがしやすね。 | |
そういえばこいつは何かスキルを持っているようだが、頭を封じていると失敗してターンを無駄にするようだな。 | |
ってことは俺が相手のスキルに合わせて封じていけば、だいぶ戦闘が楽になるのか。問題はどこを封じればいいか、やってみるまでわかんねーことだよなあ。 | |
それは試行錯誤するしかないだろうが、せいぜい3択なんだからそこまで大変じゃだろ。さて、そろそろ倒せる頃合いだ。 |
(今回は読みが当たったが、さて次からどうするかな……) | |
うわー、本当に勝てるなんて思ってもみませんでしたよ! | |
正面からぶつかったらわからなかった気もするが、今回は見事に作戦がはまったな。 | |
だから言っただろ、こいつの作戦に乗って損はないって。ところでこのフロアには追跡型の F.O.E. がいたけど、そいつとも戦ってみねーか? | |
何か今なら勝てちゃいそうな気がしますねー。 | |
いやー、流石に次は上手く行くかどうか微妙じゃないですかねぇ。 | |
私もアポロに同意だな。危ない橋を渡りすぎるのは考え物だ。 | |
いやでもよ、折角だしやってみるのも一興だと思うぜ。なあ、リク? | |
待て、まずはこのフロアの残りの場所の探索だ。それが終わったら……一戦だけだぞ。結果に関わらず、一戦だけだ。 | |
サンクス。それじゃ、とっとと探索を終わらせちまおう。 |
探索終了後……
今回も基本的に戦い方は変えない。というか、変えようがないのだが。 | |
オッケー。こいつが頭技を持ってることを願うぜ。 |
ぐはっ! これはヤバい! | |
フロントガードの上からこれは尋常ではないぞ。 | |
俺の術式もさっきの狂える角鹿ほど有効ではないな。さてどうする、撤退しても俺は怒らない。 | |
へっ、そう言われて撤退するとでも思うか? | |
言ってみただけだ。さて、次のターンからどうなるかな……。 |
むむ、私に対してもこれだけのダメージか。かなり雲行きが怪しくなってきたと思うのだが、まだ戦うか? | |
戦闘不能者の一人も出ないうちから逃げるなんざ、俺にとっちゃ何かの冗談だぜ。 | |
まあ一応の方針としては、戦闘不能者が出たら撤退ではあるな。 | |
そうそう、やっぱお前は話がわかるな。 |
2ターン連続で攻撃ミスとは、こいつぁなかなかのツキですぜ。 | |
だがどちらか一方でも当たれば無事では済まなかったはずだ。いくらなんでも運に頼りきるわけにはな。 | |
なーに、これも俺の日頃の行いがいいからだって。 | |
相変わらずたちの悪い冗談だな、温厚な俺もそろそろ怒るぞ。 | |
お前のどこが温厚だよ、そっちの方がたちの悪いジョークだよ! | |
まあまあ、これで勝機も見えてきたことですし、ね? |
このターンにアタッカーが倒れなければ勝てる計算になるか。 | |
流石にここまできてひっくり返されるのは嫌だぜ。 | |
幸い素早さに関してはこちらの方が上だ、攻撃をミスしない限りは大丈夫だろう。 |
俺達って意外と強いんじゃね? | |
確かに今のところ2連勝でごぜぇますが、何となく運で勝てたような気がしやすぜ。 | |
同感だ。私としては単にくじ運で勝っただけでは、勝利と言いきるのは少し疑問でもある。 | |
厳しい見方だがその通りだ。もっとも、俺達の勝ちパターンが大体見えてきたのは大きな収穫だな。ヨハンとアポロで守りを固め、ユーロニモスが致命的な技を未然に封じ、俺の術式で焼き払う。恐らくこれが今のところの最適解だろう。そのうち運否天賦でない戦い方ができるようになるさ。 | |
(相変わらず頭が回るな。しかし……) | |
あーまー詰まるところはだ、今回のやり方でぶっちゃけ OK って事だろ? | |
ま、そうだな。 | |
(この二人がなんでコンビを組んでいるのか理由がわからん) |
これでこのフロアもほぼ終わりか。 | |
残るは今は開きそうもない扉ですからねぇ。さっさと次のフロアに進みましょうや。 | |
うーん、俺としては勝ち癖の付いてるうちにこのフロアの F.O.E. を一掃したいぜ。 | |
いや、ダメだ。この2戦でわかったが、今のところ F.O.E. と戦うのは割にあわない。帰還のためのアリアドネの糸と回復のための宿の代金に対して、ドロップアイテムの金額が安すぎる。少なくともこの2戦はまったくペイしていない。 | |
そうですねー。お金が足りないと装備も整えられませんし、しばらくは自重しましょう。 | |
そっか。確かに金ばっかりはしょーがねーな。じゃ、次のフロアに行くか。 |
ユーロニモス | レベル6 |
リク | レベル6 |
ヨハン | レベル6 |
カタリナ | レベル6 |
アポロ | レベル6 |