とうとう完結。最終巻ということでいろいろ動きはあったものの、いつも通りの奇妙で、ゆるくて、ノスタルジックな「でろでろ」だった。しかし岬ちゃんがアプローチをかけはじめて「おっ?」と思ってみたものの、最後の最後までメインヒロインは留渦ちゃんだったなあ。というか岬ちゃんもやっぱ水面姉ちゃんとの絡みのネタが多かったし、今にして思えば家族愛みたいなのが根底にある漫画だったんだな。
ところで巻末連載の蓮介漫画日記で明かされた構想時の日野兄妹のデザインとそれが当然のようにボツになったというエピソードとかを読むと、この人の可愛い女の子を描く才能を開花させた編集は本当に凄いな。本当に初期の押切蓮介作品はカオスとしかいいようのない狂った世界だったんだから。
で、同じく押切漫画でちょっと前に最終巻の出た「ミスミソウ」だが……
さっき「押切蓮介の描く女の子は可愛い」と書いたけど、実際には女の子以外も魅力的で、押切漫画ってキャラクターが生き生きしてるというか凄く血の通った感じがする。それがいわゆる「萌えキャラ」の類とは一線を画す可愛さに繋がってると思うんだけど、そういう血の通ったキャラクターでドス黒い漫画を描くとどうなるかというと、ミスミソウになる。本当に最後の最後まで救いの欠片も無かったというか、救いの可能性も作者が片っ端から叩き潰していったというか、その救いの可能性に見えた奴が下手すると作中で一番トチ狂っていたというのは心臓に良くなかった。
閉鎖的な田舎社会の閉塞感とか、その共同体に現れた美少女が惨劇の引き金になるとか、手垢の付いたテーマかもしんないけど、それだけに独特の作風が際立っていた気がする。
あと最近ネウロも最終巻が出たんだった。
漫画本体の特殊っぷりからは想像できないぐらい綺麗に終わったなーとか、こんな綱渡りみたいな週刊連載漫画に超ロングパスの伏線を入れ込むとか作者はただもんじゃないよなーとか思ってたら、後書きで1〜2巻ぐらいで終わるケースから20巻程度続くケースまで想定してプロットを考えていたとか書かれていて驚愕&納得。それにしても、そんだけ計算できる人がドーピングコンソメスープとかあまりに危険なネタの数々とかをどうしてできるんだ。そこまで全部計算してたんなら凄いを越えて恐ろしい。
巻末の読み切りも中々の面白さだったので、次作にも期待。
俺にとっての最大の関心事はオリキャラだけでゲームが進められるかどうかなのだが、あまり期待せずに待つことにする。シナリオの都合で加入するキャラと自前のキャラが混在して、尚且つキャラクターが能書きを垂れまくると何ていうか妙な事になりそうな気がするんで。リアルタイムダンジョンは遊んでみないことにはわからんが、何かそれじゃ別ゲーな気もする。キャラのロストがあるとは書かれているが、同じ DS のエルミナージュは結局全然ロストしなかったので、あくまでも物語部分との兼ね合いとしてシステムに存在するだけという可能性もある。いや、もちろんバンバカ死んであっさりロストするゲームかもしれないけど。
Amazon 専売なのも気にかかる。やっぱ数を絞って出さざるを得ないのかなあ。
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