Diary?

2008-08-20
Wed

(01:14)

どうやら採用拒否というのは今の会社が始まって以来の事らしいのだけど、それは会社としてまずいだろうと思った。何せ向き不向きのまったくわからん素人を雇うんだからそれなりに不適格者が出てくるはずで、それを切れないと現場に迷惑がかかるっての。いや、切っちゃうと確かに本社の空気は多少悪くなるだろうし、切る方も辛い面があるってのは前にも書いてるんだけど。それでも見習い期間の奴を切るという選択肢をもたらしたのが明らかに会社で一番若い俺というのはかなりマズい。

しかし今回の奴は凄く特殊なケースだったかもしれない。ソースの暗記とかコピペ元を探してきて誤魔化すとか、そういう暗記重視の試験勉強的な能力は高かったんだよな。何となくだけど、そういったやり方で大学まで行けて社会に出れちゃって、それが成功体験になってしまって、結局そこから抜け出せなかったのかなと思う。 Javadoc の写経とかやってんのを見る限りでは。

でも特定の成功体験に拘るのって事実上の自殺行為なんだよ。システム開発やった事のある人ならわかるでしょ、前のプロジェクトのやり方を踏襲してグダグダな状態になるとか。そんなに自殺したいなら、周囲に被害がでる前に俺があの世に送ってやるから名乗り出ろよといいたい。環境が違えば何が最善な行動かなんてコロッと変わるし、同じような環境でも集まった人員によってはやっぱり変わるし、単純に時間の経過でだって変わるだろう。そういう事を人生の早い時期のどこかで学んでないと適応障害とかいう状態になって、それで何事も上手く行かなくなったりするんじゃないか。

まあ、既にいなくなった奴のことをあーだこーだと書いても仕方がないんだが。

(22:55)

むー、場合によっては C# の仕事かー。いや、俺は別にいいんだけど他の社員は大丈夫なのかな、と思っていたら、どうも俺が他のメンバー全員の Mentor めいたことをやるというのが前提のようだ。ちょっと待て、マジで俺にそこまでやらせんのか。……って他にできそうな奴がいないから仕方ないけど、なんだかなあ。

もっともそれを言うなら今の会社で R&D をやってるのって俺ぐらいしかいないというか、他の連中が現場に出てようやく俺がそういう事をできる余力が生まれるという状態なんで、このままじゃ俺と他の社員のスキル格差がさらに開いちまうぞ。それにプライベートの時間を使ってプログラミングとかソフトウェア工学の学習をしてるような奴の絶対数がそもそも少なくて、どうにもこのままじゃみんな Java と心中だよなあ。それを防ぐためにもやっぱ企業内での情報交換とかは重要なんだけど、今んところ俺が一人で旗振ってるようなもんだからなー。

ところで最近思うのは世の中の問題の結構な部分が「俺/私が世の中で通じない」という状況への適応力不足な気がしてきて、とりあえず今回採用拒否にした新人とか、前の現場で俺に散々尻拭いをさせて気がついたらフェードアウトしてた奴とか、うちに巡り巡ってやってくる学歴はあるけど職歴見たら「ありゃあ?」な奴らとか、何か結構みんな似てるんだよな。

俺の価値観と 100000000000000000000000 光年離れたところにあるんで気がつかなかったけど、勉強しようとしない理由の一つに「自分の理解を越えている物があることを認めたくない」っていう、信じがたい理由があるんだよな。いや、マジで「わからない物を見るのが嫌だから勉強しない」って奴は存在するぜ。それでそういう奴ってのはいわゆるお受験的な勉強はできるってパターンが多くて、つまりは一つの成功体験に縛られて、そこから逸脱したものを認められなくて、泥沼にはまっていくと。ニートとか氷河期とか没落エリートとか時代遅れの技術者って、この「同じ手がいつまでも通じると勘違いした結果」という部分が決して少なくないと思うな。

まあ、ぶっちゃければ挫折が嫌なだけなんだな。挫折したり苦労したりすんのをあんまり拒否しすぎると、ある時に一挙にツケを払わないといけなくなるってのに。

もっとも本人だけを責めるのも酷っちゃそうだから、うちみたいな企業が永世フリーターのワーキングプアよかちったあましな選択肢として存在しないといけないんじゃねえかなとも思うんだが、それにしても最近は俺の懐も破れそうなんで、新人も他の社員も本当みんな勉強してくれよ。せめて「Java が廃れたらどうすんの?」「俺が死んだらどうすんの?」の二つには答えられるようになってくれよ。

……というか俺程度の技術者が会社始まって以来のエースと言う時点でゲーム終了かもしれんが。

Creative Commons
この怪文書はクリエイティブ・コモンズ・ライセンスの元でライセンスされています。引用した文章など Kuwata Chikara に著作権のないものについては、それらの著作権保持者に帰属します。