Diary?

2008-08-13
Wed

(21:53)

新人のうち一人に本採用拒否の通告をすることになった。いや、もう上司がしたんだっけな。できればそういう事にはしたくなかったが、最初のうちは全然勉強してなかったし、一旦最後通告を出してから厳しく指導しても全然身につかなかったし、何より本人がプログラムを書くことを苦痛にしか感じていないようなんだから仕方がない。

他の新人にも歩みの遅い奴はいるけど、そういう奴でも全然思い通りにならなかったコードが動くようになったとき、それまで沈んでた表情が明るくなるんだけど、結局そいつは最後までプログラムが動くということに喜びを見出せなかったように思える。それは本人も辛いだろうし、周囲にとっても辛いことなんだよな。

それでも、そういう決定的に資質の欠けてる奴を末端のコーダーとして多重下請け構造の最低辺に送り込んで、実際のコードと一対一対応なプログラム設計書を渡して厳しい監視下に置いたり、あるいは「機械にやらせろよ」と言いたくなるようなクソな雑用をクソな現場でやらせたり、そういった人間の尊厳が怪しくなるような仕事をさせれば多分最低限の人月単価は取れるとは思うし、そうやって稼いでいるところが今の会社にないとは言わないし、他の会社もやってることだ。

ただ、俺はもうそういうのは心の底からゴメンで、「ダメな奴を無理やり使うためのクソのような統制」「クソのような統制による士気の低下」「メンタル面をやられることによる無能レベル以下への転落」という不幸の連鎖をこれ以上拡大させないために、やっぱここで本採用拒否をしとかないとダメなんだ。

private void foo() {
  int a = 1;
  int b = 2;
  int c = sum(a, b);
}
 
private int sum(int x, int y) {
  return x + y;
}

そいつは結局最後までこのコードがまったく理解できなかった。文法もまったく覚えられなかったし、値を渡したり戻したりという概念も理解できなかった。きっともっと根本的なところで何も理解できなかったんだろう。

もしもこの日記を読んでいて、そして他の業種からこの世界に転職したいと思っている人がいるなら、お願いだから転職する前にプログラミングを学び始めて、それでプログラミングが面白いと思えたときにだけ転職してほしい。そうでない人にとってこの世界は酷く辛いだろうし、見ているこっちも辛い。

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