いくら何でもこれは……
酷い。本当に酷い。何が酷いって、 IT 業界というか SI と下請けの世界の問題点って賃金でも労働時間でもないのに、そこを意図的にかどうか知らないけど「賃金面ではむしろ良い方」「平均残業時間は月 40 時間程度(いや、平均 40 は絶対におかしいんんだが)」なんて風に問題のすり替えと矮小化をしてるんだから(統計の怪しさ以前の問題)。じゃあ何が問題点かというと、例えばこんな仕事について想像してくれ。
さあ、これで発狂する奴と発狂しない奴、どっちが多いと思う? つまりはそういうことだ。多重下請け構造や締め付け管理により現場に降ってくる作業が大変なクソになり、そしてそれに対する抵抗は殆ど許されない(休職・退職・自殺という選択肢はある)。上記の例でいうと、
ということで、労働時間とか下請け企業の低賃金とかは副次的な問題に過ぎないんだよ。そもそも月の残業時間が 100 越えても仕事が面白すぎて全然心が折れないってケースもあれば、残業 0 でも精神を病むこともあるんだって。そしてストレスの原因というのは先に述べたように現場がクソになる事であり、クソな現場というのは
などの問題が絡み合った結果なわけだ。なので、無量大数歩譲って先の記事で出ていた統計データがすべて正しかったとしても、 IT 業界はそんなに悪くないという結論にはならない。少なくとも、多重下請け構造の特に下の方は紛う事なきクソだという予測を立てても良い。というか、うちの会社がどうにかしようとしてるのがそこら辺だ(まだ確たる手法や成果はないんだけど)。
しかし「もっと不幸な奴らがいるから愚痴るな」というのは、まるで士農工商の下にエタ・非人を設置するような発想だなあ。もう 21 世紀なんだから、江戸時代の社会制度を復活させるような物言いは止めようぜ。
ところで賃金の話だけど、俺は新卒で入って今年が三年目で、月給は手取りで 19 万ぐらいで夏のボーナスは 28 万だった。うちの会社は基本的に二次請けで、 Java もしくは C# での業務用システム開発で生計を立ててる。これが安いか高いかは知らねーし興味もねー(生活に困窮しない限りは興味ない)。まあ、再来年に妹二号の進学が控えていて、俺も学費なりヤサなりを提供する必要があるんでそうなると少し厳しいかも知れんが。
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