Diary?

2008-06-01
Sun

(11:20)

何か風邪ひいたっぽい。熱は今のところないけど、喉の調子がどうにも。昨日雨だってのに無理して外出したのがマズかったか。それで雨の中無理やり買ってきたものってのが

コレ。いや待ってくれ、本当は買う予定じゃなかったんだ。とりあえず事の次第を時系列に書くと

  1. オールインワンの複合機プリンタを買いに行く
  2. 事前に調べをつけておいた機種がまったく売ってなくて途方に暮れる
  3. とりあえず一番安い奴について「メーカーから Linux 用のドライバは出てるか」と店員に聞くが、「出てない」と言われる
    • 後で家に帰って調べてみたら、ちゃんとドライバの提供されてる奴だった。前から思ってたが、やっぱ電気屋の店員は使えねー
  4. しょうがねえから楽器店を冷やかしにいく
  5. 今までベース録りは MTR のベースエミュレータでやってたので、ここらでマジもんのベースを弾いてみるかと思って試奏する
  6. そのベースが割と弾きやすかったのと、ちょうどギターの奴と同じブランドのマルチエフェクターがあったのでそれも試奏してみる
  7. 両方とも即金で買える値段だったので、ついつい買ってしまう

我ながら行動が行き当たりばったり且つデタラメでビックリだ。

(12:28)

割と今更な感じだけど、でもやっぱこれはひどいよなあ。

@IT と IT Pro で記事の印象が全然違うあたりからしてかなりアレだが、まあどっちにしろ言いたいことは「こんな白痴に公衆の面前で喋らせるな」。

まずそもそも「プログラマからエンジニア、プロジェクトマネージャ」というキャリアパスがバカだろ。プログラマとエンジニアをわけてる時点で終わってるし、もしもこのプログラマがコーダーのことだとしたら、単なるコーダーを職業として扱うのはやっぱりバカ。そしてエンジニアとマネージャではスキルセットが全然違うので、これ以外のキャリアパスを提示できないのは組織として物凄く問題があるだろ。まあ、日本じゃエンジニアの単価が相当低いところで打ち止めになるから、給料を上げるためにはマネージャにせざるをえないのだろうが、そういうところを改めてもらわねーと俺が困るんだよ!

あと IT Pro の次のくだりもすごいな。

「数として欲しいのは,金融システムなど企業の大型システムに従事する人間。こういった領域では,個人の能力よりは業務ノウハウが重要。プログラマとして優秀であっても,業務を理解しないと,よいシステムができない。技術だけを評価して処遇することは企業としては難しい」

いやー、正直ですねー。正直なのはとてもいいことなのですが、残念ながら十把一絡げに扱える一山いくらのコーダーの尻拭いに俺らエンジニアが終電帰りだの徹夜だのをやっているという現実がまったく見えていませんね。死ねや。

技術力不問で業務ノウハウ重要だってのなら、顧客側にトレーニング受けさせてエンジニアが監修しつつ作らせんのが一番だろ。そして俺は業務システムに関していえばその姿は割と正しいものなんじゃないかと思っているが、まだそこまで作りやすさや保守しやすさの高い環境は出てきてないから、まあ人海戦術でコーダーをかき集めるのもありだろう。なので人海戦術それ自体は決して否定まではしない。あくまでも理屈の上ではね。

じゃあそれで集まったコーダーのレベルがどうなってるかっていうと、まず使い物にならないだろ。「そこは俺の担当だからお前は一切関係するコードを書くな」っていっても問題の切り分けが出来ないから余計な事を書いて、それがちゃっかり納品されて、全体のアーキテクチャと不整合を起こして、俺がプロパーに頭下げつつ自分のとこで辻褄合わせをしたりするわけだ。あるいは VBA が出来ない人になぜか VBA で書かれた開発ツールの改修の指示が飛んで、誰にもどうにもできねーから俺がほぼ初見の VBA のコードのデバッグとかをやってたりするわけだ (Joel Spolski の野郎、こんなクソ言語をデザインしやがってただじゃおかねえぞ)。結局俺は前の現場じゃ自分の分の開発作業 (フレームワーク回りの基盤技術なんで結構大変) の他に 10 人分のコードのレビューとかまでやってて、それで俺の年収が 300 万切るかどうかのラインなんだから何コレって感じだよな。ってか腕利きが Google にばかり行かれても困るんだよ!

まあコーダーの話は置いとこう。 @IT の記事の最後の方で情報系の修士以上の学歴持ちが少ないって話が出てるが、そりゃ仕方ないだろ。だって学費が払えないんだから。最近では国公立の学費に関してまたグダグダ問題が持ち上がってきてるが、学費ってのはただにならねーといけないんだよヴォケが。北欧諸国を見てみろ、大学まで学費ゼロの国がごろごろしてんだろ。本音を言えば俺だって大学院まで行ってみたかったが、あいにく学費が払えそうもなかったんでな。それで学部卒程度が現場で経験を積んだところで、大学に戻って教授になるなんてのはまずありえないわけだ。かといって博士号持ちが企業で有効活用されているかというと、これもまた疑問で、これは日本の大学教育の問題の一端じゃねえのか。学費が高い、大学院に進むメリットも薄い、これじゃダメだろ。確かに低学歴のスーパープログラマもいるっちゃいるが、そんなのはレアキャラ。はぐれメタルと普通のスライムを同じスライムとして扱うんじゃねえぞ。

そして一番「死ねや」と思ったのが、「10 年は泥のように働け」発言。そもそも引用元である丹羽宇一郎氏の意図は「経営者は 10 年スパンで社員を育てろ」っていうものだったんだけどな。それで 10 年って期間だけど、ぶっちゃけこれもう無理だろ。そもそも俺だって「次にクソな現場に放り込んだら辞める」「あなたのソフトウェア開発従事者としての底が浅いとわかったら辞める」と上司に宣言してるしな。既に 10 年下積みしてどうのこうのって時代は終わってるんだよ。きちんとした専門知識のある人間を雇って、 10 年も下積みさせないような会社にしないとダメだっての。

いろいろ書いたけど結論:

  • コードすら書けない奴を雇うな
  • 国は学費をタダにしろ
  • みんな Google にばかり行くな
  • 俺の給料を上げろ

(14:41)

さっき少し書いた日本の大学の学費だが、これがいかにふざけた状況かは「教育格差と国際比較」が詳しい。いやー、実に酷いね。というか北欧諸国だけでなくチェコとかスロバキアなんかも学費がただなんだな。そして学費がただでない国のうち、アメリカ、オーストラリア、日本、韓国、ニュージーランド以外の国々は 10 万円かそれ以下で、日本のぼったくり学費とは雲泥の差である。あとアメリカあたり出ている数字ほどには実質的な負担は大きくないような制度になってるとか聞いたこともあるな。

それにしてもスウェーデンとフィンランドの高等教育の公費負担率はすげえな。税金を始めいろいろあるとは思うけど、本当に高等教育を国民すべてに受けさせようとしたらこうなるよな。あと聞いた話だとフィンランドの大学院はマジで凄まじく、特に博士論文の発表ともなると命のやりとりじゃねえのかこれってレベルのデスマッチが教授と学生の間で繰り広げられるそうだ。

じゃあそれで学費に見合った教育がされているかというと、うーんどうでしょう。スウェーデンモデルとか変な事言ってた頭の悪いダメ左翼連中も、こういう教育関係を真似しろって言っていれば支持してもいいんだがなあ。

じゃあ実際日本がどうなろうとしてるのかっていうと、国立大学の授業料を私立並にみたいなバカな意見が出てるわけだ。今でも国公立の授業料は決して安くないし、下宿なんてしたら私立並。俺は家から通える範囲に俺が受かるレベルでなおかつきちんとした国公立が無かったんで学費の安い部類の私立に通ってたけど、どっちにしろ今でも大学への進学は相当な負担だ。俺の場合は祖父が高等裁判所の判事だったこともあって、年金と奨学金 (ってかローンだよこれ) で学費を払えたけど、そうでもない連中の中には家計の悪化で途中で辞めざるを得なくなったってのもいたぞ。それが今度は国立大学にまで波及するってわけだ。

俺が大学を出られたのはぶっちゃけ前述の殆どチート行為のような財源があったからで、多分それを抜かせばうちは国公立へ通う体力すら怪しかったはずだ。そして身内に借金と前科にまみれた爆弾を抱えていた俺が起死回生の逆転をするには教育機関に頼るのが一番で、もしも国立大学の授業料の大幅引き上げがされたら同じように逆転を狙っている連中からそもそもチャンスを奪うことになる。そのくせ中国とかの留学生にはバカみたいに税金使ってんだろ? 死ねよ。

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