Diary?

2008-02-21
Thu

(00:22)

相変わらず SOAP と格闘してたのだが、とりあえず受け渡しに使うオブジェクトがシリアライズ/デシリアライズ可能なのでどうにかなった感じ。最悪、自分で WSDL 書かないといけなかったかもしれないからな。それが回避できそうだってだけもでめっけもんだ。

ちなみにフレームワークの改造も始まってるのだが、 Struts が元ネタとかそういうのをさておいてもかったるい。なぜかって言うと、ドキュメントが全然整備されてないのだ。導入資料の類はない、 Javadoc に至ってはろくすっぽ書かれていなかったり記述が古かったりするし、ゴミファイルも残ってる。インクリメンタルな開発ってのはそういうところをいい加減にする手法じゃねえんだが、まあいい、多分俺にはそこら辺をまとめ上げる能力も求められているんだろ。

しかしあまりに理解しがたいというか情報が足りないので、俺の独断と偏見により勝手にイントラネット内部で Wiki をおっ立ててそこでドキュメントをまとめることにした。どうせ機能は最低限でいいので、昼休みを潰して (俺が管理権限を持ってる) サーバにゲリラ的に構築。他の Wiki クローンは機能的にオーバー過ぎたり文法が気にくわなかったり、そもそもサーバに入ってる環境じゃ動かせなかったりしたんで結局自分で書いちまった。まあ、俺は機能的には不足を感じてないのでいいや。これが一定の効果を上げたら次の展開が考えられるんだが、まずはどの連中を巻き込むかなあ。とりあえず現状のフレームワークに悪戦苦闘してる新人には見せておいた。

しかし組織が小さいといろいろ楽だ。特に俺は独立愚連隊として扱われているので相当無茶が効く。まあ、その半面チームメイトゼロの慢性的なトラックナンバー 1 で仕事をすることが決定していて、いざというときにリカバリが効かないってのがあるんだが。

(19:49)

「世界樹の迷宮2」買ってきた。更新が途絶えたらそういうことだと思ってくれて結構。

っていうか、何で木曜日に発売するかなあ。明日の仕事に差し支えるじゃないか!

(20:36)

極めてどーでもいいことだけど、 10日の日記に妙なコメントが付いてた。

その定義だと“すべての人間が馬鹿”にならないか ? 誰だって何かに対しては無知だし間違って覚えたりするだろう .

え、違うの? 人間ってみんな何かしらのことについてはバカなんじゃないの? 人類が全員ある意味でバカだったとして、それで問題があるの? あるからこういうコメントを付けたんだろうけど、何が問題なの?

まあ、実際のところこういう反応の人ってのはいるにはいて、俺はそういう連中が大嫌いなんだけど、それは何故かというと今までの経験上、そういう連中は大体自分がバカのカテゴリに入ることに抵抗するからこういう反応を示すわけだ。この人がそうなのかは知らないし知る術はないんだけど、俺はそういう風に考えている。

何でこういうことを書いたかというと、これは俺の実践している学習方法に関わる話だからだ。俺は大学の頃から「定期的にレベルをリセットする」という修行をしていて、それはつまり

  • 静的型付けの言語でしかプログラミングしたことがないので動的言語にチャレンジしてみる
  • 手続き型の言語しか知らなかったので関数型言語に手を出してみる
  • それなりにメジャーな言語しか使ってなかったので情報量がほぼゼロのマイナー言語を使ってみる
  • フレームワークを使う立場だったので逆に自分で書いてみる
  • 三流私大の情報数学で知識が止まっているので圏論のようなレベルの違いが倍率ドンな方面を調べてみる
  • C++ が STL で止まっているので Boost を使ってみる
  • Python 2.4 以降に慣れすぎてしまったので 2.1 程度の機能の Jython でプログラムを書いてみる (ていうか仕事の関係上そうなった)
  • Linux の世界に浸かりすぎてしまったので Windows で ActiveX を書いてみる (これも仕事だったけどな)

というようなもので、これは前述の「どこまでいっても人間は何かしらの意味でバカ」という前提の元にやってることだ。何で修行なんざするかというと自分はまだまだだと思っているからで、それまでとは別分野に首を突っ込むのは自分のバカさ加減を知るためにはうってつけだし、挫折を味わってみるのはいいことだ。そしてまた元の場所に戻ってきたとき、実は自分はそこのことすら何一つ本質的な事はわかっていなかったということに気がつく。

実際俺は大学三年の冬頃に C++ を封印して、それからいろいろあって Python に鞍替えして、それで一年ぶりに諸事情により C++ を書いたら信じられないぐらい C++ の腕が上がっていたという経験がある。そもそも同じ事を繰り返したって成長曲線には限界があるわけで、「ピープルウェア」で出てきた「10 年選手と 2 〜 3 年程度の経験のプログラマにレベル差があまりない」という調査結果は実は当たり前だと言える。

そして悲しいことにソフトウェアの世界には自分のバカさ加減を知ろうとしないキチガイが山のようにいる。これは別の現場の業務系の人から聞いたことだけど、業務用 Web アプリの世界じゃオブジェクト指向をわかってる人はまれで、それどころか共通処理をまとめて別メソッドにしようという考えすらなくて、そういった本来なら当たり前のことをやろうとすると「そんなことしたら設計書が書き直しになるじゃないか」「そんなことして何が嬉しいんだ」という反応が返ってくるそうだ。

そして俺はそういう悪い意味でのキチガイには決してなるまいと思っているので、今日もまた自分のレベルをリセットする。

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