Diary?

2007-12-21
Fri

(22:12)

突然だが、変人ギタリストについて少し書きたい。ここでいう変人とは

  • 演奏技術がおかしい
  • フレーズがおかしい
  • 性格・エピソードがおかしい

といったあたりのどれかを兼ね備えているギタリストのことだ。そして十中八九ヘヴィメタル・ハードロック系だと思って良い。俺はそんな変人ギタリスト達の大ファンなのだが、俺の知る限りで誰が一番変人なのかというのを少し考えてみた。とりあえず変人王の候補は次のギタリストだ。

  • マイケル・アンジェロ (ググれば嫌というほど動画が見つかるよ)
  • チアゴ・デラ・ヴェガ (ギネス公認世界最速)
  • ジョージ・リンチ (実はいろんな意味でツッコミどころ満載)
  • スティーブ・ヴァイ (変態ギタリストの草分け)
  • トム・モレロ (左翼思想で政治家の秘書を解雇された後にデビューしたわけのわからん人)
  • マティアス・IA・エクルンド (ギターの使い方を意図的に間違えている)
  • イングヴェイ・マルムスティーン (すべての元凶)
  • マイケル・シェンカー (神あるいは精神異常者)

あまりにも知名度が低そうだったり、ネタにして面白くなさそうなのは省いた。以上の 8 名でトーナメントを戦ってもらうことにしよう。

第一試合「マイケル・アンジェロ vs チアゴ・デラ・ヴェガ」

確かにチアゴ・デラ・ヴェガはギネス記録をもつギタリストだが、あまりに音楽として成立していなさ過ぎた。そしてそもそも速弾きしてるさまを見ていて面白くないのが痛かった。

顔面芸とバカ技でアンジェロ先生の勝ち。

第二試合「ジョージ・リンチ vs スティーブ・ヴァイ」

スティーブ・ヴァイの明らかにあっちの世界の音世界と独特の演奏技術はまさに変態。対するジョージ・リンチ先生もなかなかの変態技の持ち主で、ゴシックオクターブ・スケールと本人が勝手に呼んでいるフレージングとの合わせ技でヴァイの牙城に迫る。

ヴァイの「エイリアンとの会話」「馬のいななき」というギミック奏法に先生の「ジャックオフ・ヴィブラート」の名前の通りどう見てもナニをシゴいているようにしか見えない視覚的なインパクトがぶつかり合ったあたりで、先生は Super V から神風ギターに持ち替え。なんとその瞬間に勝負は決まった。いくらなんでも「先生の神風」はねぇだろう。

ジョージ・リンチ先生の勝ち。

第三試合「トム・モレロ vs マティアス・IA・エクルンド」

トム・モレロの「ケーブル引っこ抜き奏法」もかなり頭を抱えてしまうが、マティアス・エクルンドのディルドーを使ったりおもちゃの携帯電話を使ったりといった「そもそもギターって何をするものだっけ」レベルの変態技はそれを超越していた。

マティアス・IA・エクルンドの勝ち。

第四試合「イングヴェイ・マルムスティーン vs マイケル・シェンカー」

マイケル・シェンカーは試合会場にこなかった。

インギ様の勝ち。

第五試合「マイケル・アンジェロ vs ジョージ・リンチ」

奇しくも先生対決の一戦。ジョージ・リンチ先生も教則用のフレーズをインプロヴァイズで作ったり変態技を披露したりと教える気があるのかかなりあやしいのだが、マイケル・アンジェロ先生はよりによって教則ビデオでダブルギターを演奏していやがった。一体何を教えたかったんだ、アンジェロ先生。

アンジェロ先生の勝ち。

第六試合「イングヴェイ・マルムスティーン vs マティアス・IA・エクルンド」

インギ様の端から見ていて頭の心配をしたくなるパフォーマンスとマティアス・エクルンドの超絶技巧が火花を散らすなか、審査員の一人がボソッとつぶやいた「でもあのパフォーマンスってすげぇ割合でジミヘンの真似だよな」がすべてを終わらせた。

マティアス・IA・エクルンドの勝ち。

決勝戦「マイケル・アンジェロ vs マティアス・IA・エクルンド」

のっけから凄まじいテクニック勝負となった決勝戦。アンジェロ先生が究極神拳の「アンジェロラッシュ」を繰り出せばマティアスは箸やエプソンのプリンタを使った楽曲で応戦。今度はマティアスが「ピアノ奏法」を繰り出して先制するが、これは先生が 10 年以上前に通過した道だった。

その後はギターそっちのけのトーク・テキストバトルとなり、「俺は Crazy Train の音符を 5,000 個増やしてやったぜ」という先生のギターバカ一代っぷりにマティアスのツッコミ不在脱力系ライナーノーツがガップリ四つで組み合い、ここでも勝負は付かない。

ここでアンジェロ先生は伝家の宝刀ダブルギターでの一人ツインリード、そして至高のバカギターであるクワッドギターによる意味不明のパフォーマンスで勝負に出るが、マティアスが友人に作らせた一本弦ギターのある意味で先生と逆方向のカオスを提示し、さらに弦なしギターを持ち出した時にはスタンディングオベーションが起こっていた。

マティアス・IA・エクルンドの勝ち。

Creative Commons
この怪文書はクリエイティブ・コモンズ・ライセンスの元でライセンスされています。引用した文章など Kuwata Chikara に著作権のないものについては、それらの著作権保持者に帰属します。