Diary?

2007-12-07
Fri

(22:09)

会社帰りにふらっと立ち寄った書店で「魔人探偵脳噛ネウロ (14)」が売られているのを見つけたので購入。前々から俺はこの漫画を高く評価していたけど、まさかここまで凄い漫画だとは。完全に松井先生にしてやられた。

まず X がラスボスじゃなかったという時点で敗北だ。 X とネウロが対決したエピソードについて作者が締めくくりのエピソードのつもりだったと書いていたこと、 X のシンパが存在することなどからこいつがラスボスで間違いなかろうと思っていたら、完全に意表を突かれた。

そしてそのラスボスであるシックス (不吉な数字である 6 と Sick が名の由来) がまた凄くて、まさか少年ジャンプの漫画で「定向進化」を目にするとは。これはアバウトに説明すると品種改良のようなもので、シックスの一族は数千年にわたって「人を殺すこと」に優れた精神の持ち主を生み出すような形で子孫を作り、結果として人間とは別種の存在にまで進化したという筋書き。はったりこそあれど考え方のベースは基本的に正しく、また精神面での遺伝 (キチガイの多い家系とか) のようなものもかつての「犯罪生物学」があるのでまったくのデタラメとも言いきれない (今では「犯罪社会学」がほぼ完全に取って代わっているが、異常犯罪者の多くが身体的な異常や頭部への大怪我を負っているというデータもあるというので、幾ばくかの真実は含まれているかもしれない)。ここまで理詰めで作られたラスボスって少年漫画史上でも類を見ないんじゃないか?

そしてシックスたちの目的は「人類がその進化・発展の歴史で猿と人類の中間種を滅ぼしたように人類を滅ぼす」で、これもかなり珍しく、そして何より人類を殲滅する理由として真っ当だ (ところでこれは遺伝的に異なるといいつつもまだシックスたちは人類と交配可能ということになるわけだが、これが今後のストーリーに影響するかは不明)。

それにしても、シックスの見てくれがどうにもキリストを想起させるように見えるのは気のせいかなあ。

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